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待てど海路の日和悪し / Long distance from Cairo to….

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待てど海路の日和悪し / Long distance from Cairo to….

空港にやってきたものの、チュニス行きの本日のフライトをミスってしまった上、代替案を練ろうにも空港の無線LANが繋がらない。こういうのは、エジプトでは毎度の事なので身構えはできているけれど、ターミナルを移って、「Free WiFi」の表記があるカフェで繋がらないと、さすがに萎える。本来はお客さんに料理や飲み物をサーブするウェイターさんにネットの件やらは尋ねたくないので、恐縮気味に尋ねると、「繋がらない。プロブレム」とあっさり。けんもほろろ。

ま、そのあたりも想定内。ため息ついちゃうけど。。

それならば、じっくりねっとり根性でカイロでリビア行きの入国許可証をもうしばらく待とうと思うと考え、腹を据え、エジプト航空やアフリキーヤ航空で、トリポリ行きの航空券のお値段を尋ねる。

が、9月中のカイロ発のトリポリはおろか、ベンガジ行きも含め、どの便も満席、もしくはビジネスクラス(片道6万円くらい)のみしか空いていないとのこと。なるほど、それでネットで調べた時の航空券が異様に高かったんだな。

リビア行きの旺盛な需要は、ある意味リビアの情勢がニュースに出てくる程きつくない事を示唆しているようにもとれるけれど、カイロからリビアへ直接乗り入れる作戦は、断念せざるを得ない。空港に来たからこそ、手に入った情報ともいえるけれど、リビア入国の困難さに裏ドラが乗った感じ。ということで、あっさり前言撤回。カイロとはおさらばします。

事がスムーズに運ぶ事など、もとより期待していないが、こういったどん詰まりの状況になると、テンション下がる。

こういう時は、分厚い財布にモノを言わせ、チャチャチャと事をすすめ、前進したいのだけれど、やっぱりネットが繋がらない事には、情報が仕入れられず、メールも確認できない状況では、前に進む歩幅も小さくなってしまう。多少の金はかかっても構わないから、手持ちの携帯で情報収集したくなるのだけど、海外での使用は罷りならないんだよなぁ、自分のiPhone。

ふぅ、今回のリビア攻略でつくづく感じるのは、勢いや不退転不撓の決意も大事だけれど、周到な準備があってこそ事を成せるってこと。最後の最後と言う事もあって、何かシリーズ物のカードをすべて揃えるため、コンプリートするため、最後で足踏みするのは覚悟の上だったけれど、もっと何かあったはずだなぁ。。とつくづく感じた。

リビアの土、いや砂を踏むまで、日本に帰るつもりはないので、「いやぁ、リビアだけがどうにもならなくてさ。。」と、日本に帰って言い訳することはないけれど、無為に過ぎてゆく時間で身を削られるような気分になる。いや、運動不足で体重は増えたか。

削られたのは精神力、精神のスタミナだ。

よし、チュニスでパニーニでも食って心と体をリフレッシュさせよう。


アブシンベル / Abu Sinbel

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アブシンベル / Abu Sinbel

国巡りに重きを置く旅を続けているうちに、旅のスタイルは、高速忙しない系になっていたけれど、今回のエジプト旅は、ビザ取りが滞っている事に加え、暑さにやられぇーの、ゆっくり怠惰系。そういえば、すれ違う旅行者への挨拶が「お先に!」でなく「いってらっしゃい!」と、送り出す側になってる。

アスワンに来るのは予定外だったのだけれど、せっかくアスワンに来たんだから。アブシンベルの神殿を拝んでやろう。。。となる。

神殿内部の、レリーフは躍動的で、所々彩色が残っておりなかなか。

でも、拝んだ。奇麗だった。。以上の感動はなかったなぁ。

観光客の大半を占めるヨーロッパ人は、レリーフに時々刻まれて残っている、19世紀の欧州探検隊の落書き、いや落彫りなんかから、冒険譚を脳内で読み返したり、地中海の向こう、程度である文化や民族的な親近感なんかでつながる事ができるのだろうけど。

アジアのはずれ、それも東村山なんていう山奥からのこのこ現れたオッサンの想像の翼は、このヌビアの地には及ばなかった。翼の航続距離は中央アジアや、東南アジア辺りまでなんだよなぁ。。

ルクソールで参加した、

「西岸遺跡巡りツアー」のお値段は65エジプトポンド。

今回のアスワンから参加したツアーは、ハイダムなんかも見物できる、

「アブシンベルツアー/ロング」というもので、85エジプトポンド。

観光が一大産業として発達し、世界中の人が訪れてきただけあって、エジプトの観光地は、パッケージツアーなど、いろんな物が出来上がっており、お値段も手頃。駅前でワラワラと寄ってくる怪しい輩をいなし、きちっと宿にたどり着きさえすれば、宿のフロントでツアーをアレンジしてくれ、お気軽だ。何の問題もない。

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けれど、なんかモヤモヤするんだよなぁ。

価格競争にさらされ、万人ウケが求められる団体旅行や現地発着のツアーなんてのは、平板で抑揚がなくなり、よほどのものでない限り

☆ もともと興味がある人の好奇心を満たさず、
☆ 興味がない人の目を、そのツアーが開いたりすることもない。

そんなシロモノになるかと思う。

思考を停止していても全く差し支えない。ツアーは始まり、終わる。

それでいいのだ!ならば文句は言わないけれど、能動的、積極的に自らが参加するイベント、自分の意志で向かう土地や町。金銭的な苦労より、肉体的な苦労を経て辿り着いた先に広がる景色。そういったモノの方が、マッチポンプ臭が漂ったとしても、残る物は大きいと思う。

思考停止、「お任せ」の比重を大きくするだけ、旅は自分の物でなくなり、人生で思考停止する時間を。。。

あらら、団体行動ができない糞野郎の戯れ言、貧乏人の遠吠えみたいなアップデートになってしまった。

夜中にパソコンに向かっているうちに、旅馬鹿なりの意見表明したくなってしまった。多分、ミイラの呪いか、リビア行きの準備がおざなりだったが故、エジプト滞留が延び、しびれを切らしてるんです。

許してやってください。 寝ます!  ぐほっ。

アスワン - カイロ / Aswan - Cairo

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アスワン - カイロ / Aswan - Cairo

一向に海路の日和が良くならないリビア行き。

リビア情勢も猫の目のように移り変わり、「ベンガジ領事館を襲った事件は、偶発的なモノだった」なんていう情報まで上がってきたけれど、またすぐに「原理主義に近いグループによるものの計画的な犯行」となった。

そして、今日、そのグループ事務所がベンガジの群衆に囲まれ、4人が亡くなった。CNNでは「リビア人が武装勢力を追い出した」と伝えているけれど。。。うーん、ベンガジINも考えていたのだけれど、こりゃ駄目だな。

というわけで、カイロにカエル。

アブシンベルツアーが退屈だったので、途中の遺跡でグループに挨拶し、アスワンハイダムを見た段階で、途中離脱し、アスワンのホテルに辿り着いたのは午後3時。そのまま駅に向かって、カイロに向かう予定を一日早め、本日午後7時出発の夜汽車でカイロに向かう事にした。


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アスワン→カイロのシングル寝台料金は80USD。変更料金は50EGPだった。

夜行な上、窓ガラスも汚れており、景色を楽しむ気にもならず、目が覚めてぼんやりしているうちに朝食の時間となり、コーヒーを飲んでいるうちに

「そろそろ駅です。」

といわれ、ほどなくギザ駅のプラットフォームに列車が滑り込んだ。

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エジプトを悪く思うつもりはないが、思考停止してしまう暑さと人熱れから逃れたい一心で、駅から直接空港に向かう。

が、渋滞に阻まれる。ようやくたどりついたカイロの航空会社のカウンターでの回答は無情にも、「本日のチュニス行きは、出発しました。」とのこと。ったく、うまくいかない。


アスワン / Aswan

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アスワン / Aswan

ナイル沿いを遡るかのように南下し、灼熱のアスワン駅に降り立つ。

この町で鉄道は終着し、ナイルも二つのダムに阻まれ、水上交通もどん詰まる。南の国境を接するスーダンまでは、まだまだ距離があるのだけれど、ハイダムでせき止めらてできたナセル湖は全長500キロ、南のスーダン領にまで及んでいる。おそらく、古くからあったナイル沿いの集落もそれらをつなぐ道も、今では湖の底(おそらく)。

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スーダン国境近くのアブシンベルまで舗装された道はあるのだけれど、200キロ走っても途中にまともな集落は無く、前後を警官の車両で固められた観光バスでの移動だった。コンボイ/護送船団方式で、それでも飛行機を使わずにスーダンに向かいたい!という人は、ハイダムを越えたナセル湖の港から出ている国際フェリーの利用となる。その湖の道が、現時点では唯一のスーダン入国ルートとなっている。

アスワンに到着したのは金曜日。暑さに加え、重要なイスラムの礼拝日であるため、昼間の町でシャッターをあげているのは、喫茶/喫煙Coffee Shopと多少やる気がある雑貨屋程度。あまりにも人がいないので、日没までぼんやり昼寝をして過ごす。またかよ。。

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町に溜まった暑熱は、日が沈んだくらいじゃなかなか去らないのだけれど、スークやナイル川沿いの道は人であふれる。直射日光がないからか、金曜だからか、イスラムの女性も顔をはっきり出して、衣装もカラフル。ナイルの対岸の神殿も青くライトアップされている。

サマータイム/夏時間の導入が、日本でも少々論じられているけれど、アスワンのような炎熱地帯では、日照時間を有効に使うというより、夜の時間をより長くするような配慮があっても良さそうだなぁ。と思ったりする。

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そう考えると、ラマダーンとかも砂漠の宗教イスラムの知恵なのかなと思ったりする。ま、やり過ぎたら体に毒になりそうだけれど。


デンデラのハトホル神殿 / Hatohor Temple, Dendera

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デンデラのハトホル神殿 / Hatohor Temple, Dendera

戦中戦前の時代、日本で記録された映像のほとんどは白黒であったけれど、何かの拍子でその時代のカラー映像が蔵出しされ、日の目を見たりすることがある。映像が荒かろうと、色が付いたその世界はリアルで説得力があり、70年前の世界がぐっと近くなり、歴史で学んだ事やら伝え聞くいろんな物事までがリアルに感じられるようになる。

ルクソールから列車で1時間のエナ/Qenaからアクセスするデンデラ村のハトホル神殿は、ナイル沿いに点々としている遺跡のワンオブゼム。見た目はお世辞にも堂々たる遺跡とは言い難く、外観を野球の打者に例えるならば、打率.270 本塁打14本。6番か7番バッターといったところで、迫る物はない。

が、神殿の内部、大列柱室がすごい。

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列柱の太さの存在感も圧倒的だし、柱の上部にハトホル神もボリューミーで、愛を司るにふさわしい。けれど、列柱のレリーフをたどって見上げてゆくにつれ、柱が色づいてゆき、柱が支える天井に至ると、余すところなく彫られたカラフルなレリーフが広がって。。。ドラマテイィイイク。



これはすごい。

大列柱室の列柱も壁面も下部は退色が進んでいる上、偶像崇拝を否定するムスリムによって、レリーフが削られてしまっている箇所も多い。けれど、上部に向かい、彩りが鮮やかになるにつれ、レリーフの破壊も届かなくなるる。畏れ多くなってしまったのかな?振り上げたトンカチを、降ろしてしまったのかな?なんて邪推してしまう。

神殿建設を命じた王、建設に携わった職工達、神殿のレリーフを破壊しようとしたムスリム達。みんなこの彩りを目にしたんだなぁ。と思う。この感覚は、王家の谷では味わえなかったなぁ。。

ルクソールからのアクセスは一日がかりになるけれど、前後の観光客に追い立てられ、その気になれない王家の谷なんかよりよっぽどオススメ。一日がかる価値ありな遺跡だと思う。

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何でカメラ忘れたんだろ。。。なiPhoneの画像だと、良さが更に伝わらないなぁ。。。


ルクソール東岸 / Luxor East bank

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ルクソール東岸 / Luxor East bank  

「脳みその寿命が縮まる暑さ。」というのはまさにこの事。

なんだそりゃ?

ま、それくらい暑い。

暑さに耐性のあるエジプト人だって、用事がない昼間は出歩かず、町が死んだようになっているのに、暑さに弱い日本人が外をふらつくなんて以ての外。宿で自転車を借りでかけてみるが、あららこれはまずい。帽子はおろか、髪の毛も頭蓋骨をも突き抜け、紫外線が脳みそを直接ジリジリされる感じだ。ぬぅ、車道の彼方がユラユラしてる。

自転車を借りた目的は、東岸にある二つの神殿巡りだったのだけれど、結局、近くの通りから覗き見しただけだった。

神殿を歩いたって、腕を組んで立像を見上げたって心が震えないんだもの、グッスン。

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遺跡ってのはやっぱり好みや感動に個人差出るよ!っていうのが言い訳の半分。残りの半分は、殺人紫外線とカルナック神殿近くの駐車場の照り返しで、リアルにクラクラしてしまったから。

「あ、調子に乗ってカルナック神殿まで来てしまったぁ、暑いなぁ、」なんて悪態をつきながら駐車場を探していたら、こめかみがジンジンし始める。まずいなぁ、熱中症になるぞ危ないなぁ!と身の危険を感じ、早々に宿に逃げ帰ったけれど、ベッドにバタンQ。頭痛がいたい。頭の中身がカルナック状態だ。なんだそりゃ。

ということで、数十年かけて培ったへたれ旅行者の本領をまたしても発揮。有名な神殿は、レンタルチャリでプラプラするついでに近くの通りから覗き見するのがやっと。言い訳を並べたいところだけど、恥の上塗りだからやめておく。ワイはヘタレな旅行者なんやぁー。

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日没後、ようやく頭の具合も良くなって外に出て食事を済ませ、宿に戻ると、近くの路地がキラキラしてる。何かのパーティーかな?結婚式かな?路地とはいえ、車も通るような道を封鎖して式場にするんだね。まだ式は始まっておらず、人の集まりもまばら、真っ先にテンションが上がってしまった子供らが、結婚式のリハをしている感じだのDJがかける音楽に合わせ、体を揺らし、踊り始めてる。

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頭痛に苛まれている時は、明日まで生きていられるのか俺?くらいに弱気になってたくせに、子供のテンションに釣られてしまい、写真をとるだけのつもりだったのだけど、踊りの輪に潜入し、まったく店舗のあわないエジプシャンポップにあわせ。。。。?

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ねぶたと阿波踊りで、ガキどもを蹴散らし、グダグダの東岸観光の鬱憤を晴らしましたとさ。

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オススメ宿、ブーメランホテル。

ルクソール西岸観光 / Luxor West bank tour



ルクソール西岸観光 / Luxor West bank tour

「韓国のひとは、チャンジャのことを『ご飯泥棒』といいます。このチャンジャが美味しいので、ご飯がすぐ無くなってしまうので。。」なんて、現地女性ガイドに説明され、つぶれた事務所をリフォームしたような市内の怪しい免税店で、偏差値35くらいなチャンジャやキムチをしつこくすすめられた

「激安ソウルの3日間!」や、

「香港では、大事な人に印鑑を送る事になってます、書道の先生、が心を込め て 彫らなければなりません。あ、皆様のお名前を先生にレンラクして、先生が夕方までに彫った印鑑をツアーの終わり。。え? 一つ100香港ドルです。」と、観光バスの中で営業され続けた

「よくばり香港4日間!」

そんな、団体旅行に参加した記憶がナイルのほとりで、フラッシュバックした。

ルクソール二日目は、宿泊先手配のルクソール西岸ツアーに参加したのだけれど、遺跡間の移動の最中に、「エジプト文明を体感していただく」なんて、テーマをぶち上げ、外せない観光地の一つに訪れるような調子で、

1、現地ガイド曰く、エジプト文明から連綿と続く加工技術が売りの、どうでもいい置物が並ぶ土産物屋

2、エジプトと言ったらパピルス!ということで、パピルスがどのように紙状に加工されてゆくか実演付きのパピルス画屋さん

なんかに強制的に立ち寄ることになる。

どちらの店にもグダグダな空気が漂っていて、所狭しと棚に並ぶ置物や、パピルス画ってのは、まあ自分にとっては値札のついたガラクタといったところ。申し訳ないけれど。これじゃあ、「お土産の一つや二つ買おうかな。。。」っていう気持ちすら奪われてしまう。ぬぅ、これを商売にして彼らが食っているのは百も承知だけれど、やはり滑稽だ。

土産物屋に入った現地ガイドの

「こちらからは何も申し上げません、どうぞご自由に。」

なガイドとしての職務を一時的に放棄しまするといった表情は、ガイド世界のワールドスタンダードなのか、ソウルや香港の土産物で、別人になったガイドさんの表情とまったく同じ。笑ってしまう。

ま、安いツアーなのでそういう場所に連れて行かれるのは仕方ない。

けれど、ハトシェプスト女王葬祭殿の手前で、

「この遺跡はたいしたモノがないので、ここで写真を撮って帰りましょう。その方がお金と時間の節約になるでしょ。」

なんてとんでもない事を言い出したのは、ちょっと腹が立った。腹が立つというか、ボケかと思ったくらいだ。

「そんなら、余計な土産物屋に連れ回すのをやめれ」

とツッコミたくなる。。ったく。

古代エジプト人の死生観や、最期の審判のことをさんざん説明していたガイドさん、現実世界のアナタはちょと問題ありっすよ。

こんなこと続けてたら、いつかあんたの頭に雷が落ちますよ、そして、死後の世界に行く前の審判でダメ出しを喰らい、心臓を獣に食われ、永遠に漂う事になりますよ。。って言ってやろうと思った。。。



ま、これくらいの憤りというものは、思い返してもイラッとするけれど、そんな気持ちも一周か二周するうちに「おもしろ旅ばなし」に発酵してゆくってもの。誰かに語りたくなる馬鹿話になるからいいさ。。。。なんて思ってやり過ごす。

「おもしろ旅ばなし」の外に、

「石の彫像や彫刻、真贋の見極めを見せながら、
 実演販売をする土産物屋の店員。」

が、持ちネタ「現地ガイド/土産物店編」に加わったし、なんやかんやで有意義な現地発着ツアーだったかな?

で、そのネタを披露する為、持ちネタをよりリアルにする為、「安い彫像をふたつばかし買おうか。。。。」って思ってしまった。。。

ら?思う壷かな?

ルクソール / Luxor

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ルクソール / Luxor

ルクソールは、エジプトの中でも遺跡がぐっと集中しており、歩き方の町や観光地の紹介にも力が入っている。が、引き続き、エジプト文明に揺すぶられないマイハート。ルクソールの駅舎を出て歩き出しても、意気があがらない。隣町の駅におりたったくらいな気分だ。

ラスベガスにルクソールっていう名前のホテルがある。ホテルの建物はピラミッドの形をしていて、スフィンクスが入り口にデーンと構えていたはず。

が、本家ルクソールに、あのピラミッドはない。ピラミッドのような形をした山を借景とし、その山の麓の谷筋にたくさんの王墓が掘られた「王家の谷」はあるけれど。。そして、無数のスフィンクスが並ぶ参道はある。けれど、そのスフィンクスの一つ一つは、三越のライオン像サイズだ。

日本ブームにあやかって、ラスベガスに日本をイメージした「KYOTO」っていうホテルが建設され、そのホテルの形が姫路城!みたいな感じかな。違うか。

まあいいや、兎に角。

日本人がイメージするサイズのピラミッド、スフィンクスは、ルクソールにない。ラスベガスのルクソールには、それをイメージしたハリボテがある。

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こんな気持ちのまま、通り一遍のルクソール観光をブログに書いても仕方ないなぁ、なんて思うので、遺跡見物ツアーには参加するけど、遺跡訪問記なんてのは書かないことにしよ。

あんまりいい事書いてあげられないけれど、町自体はグッドサイズで、宿泊したブーメランホテルは、安いのに奇麗でスタッフも最高。なんだか恐縮してしまうくらい。いつかまたルクソールに来るならば、ホテルの名前通りまた舞い戻ってきそう。

ま、こんな感じっす。


ロンドン行きをボイコット? / Boycott London ?



ロンドン行きのボイコット? / Boycott London ?

本来であれば、76,99EURで購入したEasyJetのA320に乗り込んで、ルクソールからロンドンのガトウィックに飛び、

「また、ロンドン。相変わらずの曇り空と、入国審査場の長い列に辟易とする。気温は20度切り、晩秋のよう」

。。。。なんて、フライトレポートの終わりに書いているはずだったのだけど、まだルクソール。昼間に行動するのは不可能だなぁな、40度越え、洗濯指数100%の灼熱。

見切り出発でエジプトに向かう事を決めた今回の旅。日本を出る時点では、ビザ取りの見込みが立っておらず、ビザも取れず、灼熱のエジプトでポツーンな、八方塞がり状況に陥るのが心配だったため、いわゆる「転ばぬ先の杖」として、安い日の航空券の手配は済ませておいたのです。

そして、そのチケットの出発時間になっても、飛行機に乗れなかったというより、もともと空港に向かわず、自分はホテルの部屋に寝転がっていました。

76,99EURは決して安くはないけれど、いまのところ、リビアビザの取得への道がひらけ、コンタクトをとりながらの入国許可証の発給待ちといったところで。ルクソールの宿は清潔で気持ちのよいスタッフのアタリ宿。

エジプトもなんだか嫌いになれないし、ブログの整理やら読書しながら入国許可証の発給を待とうと思います。

アシュート / Asyut

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アシュート / Asyut

アスユート行きのバスの出発時間は朝の6時。ホテルがダフラオアシスのバスターミナルの隣だったのが、ありがたい。

5時起きして、きっちりパッキングして6時前にターミナル。シャーイでも飲んで待つが。。まあ、来ないよね。エジプトだもんね。バスの代わりに現れたのは、朝からやる気マンマンの蠅。蠅だからやる気ブンブンか。

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とはいえ、一応はスケジュールバス。3杯目のシャーイを頼んだ直後の午前7時前にバスが到着。7時過ぎに待ちかねていた乗客を乗せて出発。

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砂漠に伸びるアスファルトの黒い道をたどり、ハルガオアシスでの小休止を挟み、午後1時半頃にアスユートに到着。

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このアシュート(アスユート)、地球の歩き方に町案内の記載はなく、なんでだろとナイル中流域の諸都市の「旅のガイダンス」の項をめくると、諸都市の中に名前だけは、見つかる。

「ルクソールやその周辺の遺跡を観光する分には治安は問題ないと言っていいほどだが、それ以外の地域、特にルクソール以北のナイル川中流域では散発的だがテロ事件が発生している。」

「旅行者が巻き込まれる事はまずないが、警察は旅行者の移動を制限しており。。。」

なんていう記載の脇に。。。そんな理由もあって、触らぬ神にたたり無し。。とすぐにアスユートを去ろうと思っていたのだけれど、到着したバスターミナルでルクソール行きのバスチケットを買おうとすると、

「ルクソールへは、バスはないんよ。セルビスか鉄道だけ」

とのこと、そういえば

「都市内の自由行動は原則不可。都市間の移動も不可。」

なんて書いてあったなぁ。

けれど、アスユートにふらりと入ってしまった人はどうなるんだろ?バス停にヘリコプターを飛ばしてもらってルパンみたいに逃げ出すのかな?腑に落ちないままバスターミナルを出て、すぐ傍の鉄道駅に向かう。向かうしかないし。で、切符売り場でルクソール行きの切符をお願いすると、本日の特急は売り切れの様子。

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ぬぅ、乗り合いタクシーでの長時間の移動は願い下げなので、明日のチケットをとり、駅前に宿を取る事にする。アスユート駅のエントランスを背にし、目に入ってくる「Hotel」の表記は三つ程。時間も昼過ぎだし、まずは問題ないだろうと、三つの看板のうちの一つに向かって歩き始めたら、そうそうに警官に止められる。

「どこへ行くのかい?」

「今日の特急が取れなかったので、アスユートに一泊します。」

「ふむ」

「あのホテルに泊まろうと思います。」

と、チケットをみせ、ホテルの看板を指差すと、すぐに「いってよし」のゼスチュア。まあ、こんなもんだろうね。警戒するにこした事はないけれど、このアシュート以上に物々しい雰囲気だけれど、町での自由行動はOKなんて町、今までいくらでもお邪魔してきたし。。ホテルのチェックインなども特に問題無し。

バスで町に入ってからコプト教会を見かけたけれど、その信者なのか、髪も隠さず、体にぴたっとした服を着て歩く女性がいる。そのあたりが特に気になったくらい。町の雰囲気は別段怖いという印象はない。

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けれど、昨今のニュースのこともあって、コーヒーショップやらから流れてくる、演説のような、伝導のようなトーンの放送が、なんだか扇動的に聞こえてしまう。だから少し警戒気味に辺りを見回したり、声をかけられても顔も向けずにいなし、振り払うように歩いてしまう。

そんな気持ちで歩きながら、駅前の定食屋を見つけ、食事。店内をぼんやりとろうとしていた自分のカメラに向かって、コシャリを食べていた向かいのテーブルの少年が、

「ピース!」

食事を終えての立ち去り際、彼が「携帯で一緒に写真を撮りたいんだけど」とゼスチュアしてくるので、二つ返事してパシャリ。手を振って見送る。

しばらくすると、また少年がコーラを持って現れ、「おごるよ!」のゼスチュア。

現実逃避の成れの果てが無計画な旅をし、砂漠を越え、オアシスを巡って、情報希薄な町に辿り着く。辺りをうかがいながら一人で食事に出かけると、ピースサイン。出会いとコーラ、食いかけのコシャリ。

目の前のテーブルにコーラが置かれるまでのストーリーは、「ロストイントランスレーション」にはほど遠い、どちらかといえば「マッチポンプ売りの中年」の絵本にしてもいい内容。。なんだけど、見知らぬ町で、こういうことがあるとどうしてもキュンときちゃうあぁ。 

エジプト最高!

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