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フナフティ,ツバル / Funafuti,Tuvalu

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フナフティ,ツバル / Funafuti,Tuvalu

長年の宿願を果たし、ついにツバルI!!

というほどではないけれど、国馬鹿病に脳が汚染されていることもあってやはり嬉しい。所謂、脳が「ポカポカ」している感じだ。

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玄関開けたら2分でご飯。というCMがあったけれど、ツバルの首都フナフティは、空港出たら道を挟んで中央政庁舎。空港ターミナルから見てはす向かいに警察署、その脇にこの島唯一のしっかりしたホテル(ゲストハウス/ロッジなどは数軒有り)。空港右手は右手に銀行、左手には選挙の時には投票所(出発時に何かの投票が行われていた)にもなる集会場。

入国スタンプを押された途端に2分で中心部どころか、島の、否、国の中心地に立っていることになる。

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政庁舎脇の左手には廃屋寸前のビルというより家といった方が良さそうな建物があり、DHLの看板。この国に到着するなりドーンと目に飛び込んでくるけれど、白地に赤のロゴのモノ。ドイツポストに買収される以前のものだなぁ。

事前情報として、マイナー国巡り系の旅行記、特に何度も繰り返し佐納さんのホームページなどを読んでいたけれど、何もないが故に面白い。

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中心部の政庁舎や公共の建物の隣は、何の前触れもなく南の島の生活圏が始まっていて、赤ん坊をあやしている女性の隣を子供が裸足で走っていたりする。一緒の飛行機で島に降りたった人がそのまま近所の家に帰宅したりする。

やるな、ツバル。

小さな島は椰子やバナナが茂って緑で満ち、一見、豊かに映る。が、珊瑚の島のために土地が痩せており、人口が限られた環礁の土地に集中していることもあり農業に使える土地も限られており、自給自足をするにはなかなか大変な土地らしい。

産業らしい産業もなく、地下資源も望み薄。実際、島で労働してるな君!という人より、ぼんやり座っている人の方がはるかに多い。

こんな国がどうやって、足りない食料や国家運営のためのお金をまかなっているかといえば、

☆ 元からある漁業
☆ ツバルのインターネットドメインである.tvのライセンス料
☆ 記念切手の発行
☆ 記念硬貨の発行
☆ 海外からの無償援助
☆ 海外の労働者からの送金
☆ 海外資産からの投資収入
☆ 漁業権のライセンス収入


だという。

ツバルの国旗に☆が8つあるので頑張って8つ上げてみた。

でも、

魚釣りをして、インターネットと仕送りで生きている。

というのは、なんだかネットして魚釣りしたりして旅し、貯金を食いつぶしながら生きている自分と相通じるモノがある。ということで、金田一先生などに許可を得たわけではありませんが、本日より国語辞典に下記項目を追加。

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つば・る 【ツバる】

〘動ラ五(四)〙

1 インターネットと仕送り、そして時々魚釣りして生きること。
  「就職できそうもないからしばらくー・って暮らすことにする」

2 アフィリエイトと親の仕送りで食っているニートの生き様
  「来年の夏までは、ー・っていけそうな気がする」

ツバル 【Tuvalu】

南太平洋上の島国。首都はフナフチ。赤道と日付変更線の近くにあるエリス諸島からなる。英国から1978年独立し、英連邦加盟国。住民はポリネシア系。人口1.2万(2006)

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さて、つまらない話しはさておき、VAILUATAI LODGEという宿にチェックイン。

一泊、扇風機にシャワーの部屋がAUD55。ネットに出ていた最安値のSue's Guest Houseなる宿は廃屋同然で人の気配が無く、次に安いところを!と空港から送ってくれたおじさんの紹介。

シャワーを浴びてから、散策へ!と思ったけれど、オーナーがフィジーに出かけてしまっているらしく、ホテルの勝手を心得たスタッフなどもいないようで、チェックインがなかなかできない。部屋番号のプレートが記された鍵束を持ってきてくれたまではよいのだけれど、部屋に部屋番号が記されていないので、詳しい人がいないと部屋に入ることができないのだ。うーん、思いもかけないところに罠をしかけて来る感じだな。ツバル。

結局、30分以上もかかってようやくチェックイン。

まあいい。

荷ほどきして、釣り支度を始めるが、早起きとテンションが高すぎたこともあってか急に眠くなる。つんのめるような姿勢のまま昼寝。

同じ宿には、モルモン教の宣教師が二人(ユタ州出身とサモア出身)とテキサスから来た作家兼占星術師。変な国には変なヤツが多いという法則がキッチリと発動しているようである。

目が覚めると海面が上昇しており、島が水浸し。。というのは嘘で、手頃な仕掛けだけを持参して、Google Mapでみかけた政庁舎裏の桟橋に出かけてみる。最初からまったく期待していなかったけれど、2投目で小さな魚がかかる。フエダイの仲間かな?体長の半分ほどのミノーにアタックしてくるとは!幸先良い!

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と思ったモノの、残念ながらそれまで。手のひらサイズの小さな魚が追いかけてくるけれど、動くモノに反応しているというだけで釣れない。根掛かりでルアーをロストしなかっただけが救い釣果ゼロ。釣れる気がまったくしない気分のまま、桟橋をあとにする。

島の唯一のホテルにも小さな桟橋があるので、そこでちょっと投げてみると、これまた2投目でヒット!お!今度はさっきのフエダイ?よりは大きいぞ!

やったー、25センチくらいのメッキ!ウッシャ!確保!

さっそく、えらにナイフを入れ内臓を取り出す。

その後、バンバン投げて頑張るが、ウンともスンとも言わず。手のひらサイズの更に小さいメッキが追っかけてくるけれど、かからない。日没前に納竿。

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キャッチ

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アンド

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イート!

宿に戻って、大きなフライパンと小さなフライパンをのせ、その中でバターと塩で釣ったメッキを蒸し焼きにする。味は持参した醤油とマヨネーズで味付け。

初めての完全なるキャッチアンドイートだからか、醤油とマヨネーズがきっちり効いたからか、おいしくいただいた。

ということで、1日目は終了。



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熱帯魚はたくさんいるんだけどね。。

2日目。

午前、魚釣りに出かけるが、うーん釣れない。

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ツバル人は小さなアウトリガーカヌーで魚採りにでかける。

仕方なしに島内観光でもしようと思うけれど、頼みにしていたレンタルバイクがソールドアウト。一日10ドルなら、昨日のうちに借りてしまえば良かった。離島に向かう船が出る埠頭の様子なんかを島探検と釣りの具合を兼ねてチェックしたかったのだけど、諦める。

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島の銀行、向こうは滑走路。

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スプレッドがキツイですね。外貨でなくオーストラリアドルのT/Cを持って行きましょう。

島の銀行で2,000AUDのT/Cを一気に現金化(手数料僅か2ドル)したあと、島探検代わりに飛行場を歩いてみることにする。

※ 出発時にお会いした日本の方は、礁湖/環礁をぐるりとボートで回る
  という剛毅な遊びがあるらしい。300AUD。ただし、もう少し値段 
  はさがるかも。とのこと。

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滑走路側から、空港ターミナルと銀行を眺める。

流石に車は滑走路脇の側道?を走っているけれど、人や小さなバイクは自由に滑走路を横断している。滑走路を挟んだ向こう側にまともな施設が無いこともあって人通り自体はほとんどない。あるのは、台湾政府の援助で作られた小さな農業試験場のような施設に、貯水タンクを修理したりしている小さな工場、サッカー場。そして東の端には養豚場。

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あんまり良い匂いはしないよね。

養豚場の奧には緑色のよどんだ沼があったけれど、そこで泳いだら一発で病気になってしまいそうな水がどんよりとした色を放っている。豚小屋にブロックされ、泳ぐ以前に侵入すらできないけれど、青い空の下ののんびりとした空港とのグロテスクな対比が生々しい。

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滑走路の方角に沿って環礁の外側の海岸線に出てみると、こんどはゴミまみれの海岸線。。。。。

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南の島の現実。

大海原にぽつんと漂う環礁は、絶海の孤島!南の島の楽園だよ!

と、せっかく来たのだから大宣伝したいところだけれど、現実の姿はそんなに甘くない。ツバルというと海面上昇で国が水没するということがとかくフューチャーされがちだけれど、ゴミの処理や水の汚染など、国家水没なんてことより以上になんだかガクっと萎えてしまう問題が山積みだ。

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ガソリンスタンド、1.8AUD/Litter

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魚屋さん。

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雨水は全て貯水タンクへ!

宿に戻って小休止、夕まずめを狙って再度釣りに出かけるが、桟橋は子供の遊び場で思いっきり竿を触れない上、桟橋脇の浅瀬で大人が豚の解体を海の中で行っており、ほとんど釣りにならない。

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海の中で、豚を解体中。

ツバルの礁湖(環礁に囲まれた内側の水域)、特に首都のフナフティ付近は、水深が浅く潮の対流が制限されるからか、水は澄んで見えるけれど、海の底にはゴミが転がっていたりで萎えることがある。

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豚と夕日

豚を海の中で解体するのは島の伝統文化に触れたような錯覚がし、少しはいいものを見させて貰った気もしたけど、海は自らの主食なはずの魚を捕り、水浴する場所であると同時に、豚を屠り解体する場所らしい。魚も釣れなかったし、ツバル2日目は、空港脇の養豚場やゴミに始まって、豚の解体に終わるという島の生々しい現実を覗かせていただいた気がした。

うーん、良い意味でも悪い意味でもごちそうさまでした。

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3日目。


作家兼占星術師のテキサス人が、

「第二次大戦中、アメリカで政治活動をした日本の首相夫人がいたはずだけど、その人の名前わかる?」

と、朝の雑談の合間に変なことを聞いてくる。ははーん、これは宋美麗と勘違いしているのだと思うけれど、宋美麗が蒋介石の妻だったか、愛人だったかの確証が持てず、返答に詰まる。漢字で「宋美麗」と書いてあげるけれど、英語名がどうしても思い浮かばず、更に勘違いし「ワイルドスワン」っていう本が、彼女のことをかいた伝記だよ。なんて嘘を教えてしまう。

うーん、それ以前に、近衛文麿や東条英機の奥さんって何かした事ってあったのかなぁ?

それにしてもテキサス人!第二次大戦中俺ら日本人、否、日系アメリカ人はなぁ、強制収容所にぶち込まれていたのだぞ!なーんてことは大人なので言わない。妙なところに興味を抱いたその性格を尊ぼうと思う。

パッキングしているうちに空港に向かう時間となり、宿のお手伝いのお兄さんに送ってもらう。

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荷物を預けたあと、切手を買いにコレクター向けの切手売り場(TUVALU PHILATELIC BUREAU)に向かう。中華民国の涙ぐましい努力がここでも頑張っており、国交30周年スタンプや台湾の景色のシリーズものなどの切手が売られている。ここで50セントのスタンプと50セントの葉書を何セットか購入する。

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ツバルは他の小国同様、ユニークな切手を出すことで有名で、ツバルが今以上に貧しかった時代の大きな財源だったはずだけれど、現在は、切手発行収入でなく、インターネットのドメイン使用料で潤っているというのがなんとも時代を表し、ちょっと皮肉が効いている。

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図書館


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空港脇の集会場は何かの投票中。

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滑走路に入るんじゃないぞ。

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出発前、同じ日程でツバルに観光に来ていた日本の方と雑談し、犬が滑走路に入らないように、空港近辺に睨みを利かせながら飛行機の着陸を待ち構え、着陸、タキシング、駐機をキッチリ確認し、ツバルの旅は終了。

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