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ラロトンガ島 / Rarotonga Island 後編



ラロトンガ島 / Rarotonga Island 後編

朝飯をキッチリとって、バスで主都のAvaluaに向かう。小雨のぱらつく中、まずは埠頭でいろいろやってみるが空振り。メッキが追いかけてくるけれど、ルアーにアタックしてこない。ぬぅ。

それならと、先日ルアーを奪い去られ、ダツを釣り上げたAvaluaの浅瀬に向かう。一昨日、川の瀬の様だった浅瀬は、潮が満ちて来ているからか、大きなうねりが入るときだけ波立つくらいで、昨日は膝下位だった場所の水位は腰くらいになっている。50センチくらい潮位が上がっているだろうか。おかげでルアーを投げるポイントは増えたような感じがする。でも、昨日ルアーを奪い去られたのはかなり浅い場所だったなぁ。まあいいか。

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前日に撮った写真。写真右の海岸線が、手前の岩場のように護岸されている。今回釣り上げたのは、写真が切れるか切れないかのトコロ。リーフの裂け目に近い浅瀬。手前の建物が、魚を開くときにキッチンをお借りしたレストラン。


膝下位の深さの浅瀬から、船着き場の深場に向かいながらルアーを投げてゆく。護岸の岩を飛び越えながらそんなことを続け、それまでの腰くらいの浅瀬が終わって深くなり始める水の色が変わった辺りに投げてみると。

着水してルアーを引き始めてすぐに、

ガッッッッッッツーン!

と野太いアタック。

何度もこのパターンでルアーを奪われているのだけど、本日の仕掛けは、昨日の夜に釣り入門を改めて読み直して準備したシロモノ。リーダーも新品だし、結び目も、スプリットリングもピッカピカ。まだ見えぬ魚がだーっと突っ走っても何とか耐えてくれる。

ギチギチにしてるドラグを少し緩め、少しずつ糸をだしながら魚を弱らせるなんてことはパニックに陥っているので思い浮かばず、ラインのテンションだけで魚と勝負する。

浅瀬に浮かんでいる岩場の向こうに走られないよう、少々無理をしながら引き寄せる。ラインが切れることより、竿に不安があるので、魚に合わせて動けるよう、護岸の岩を降り浅瀬に立ち込む。その後は、ひたすら竿を倒しながら徐々に引き寄せ、逃げ込む場所の無さそうな安全圏で魚を弱らす。

水中を走っていた真っ青な魚はおそらくGTとかカスミアジとかだぞ!大きい!これは流石にメッキじゃない。

突っ走りが弱々しくなった辺りで更に引き寄せる。おし、ガッチリルアーを食っている。

簡単には外れなさそうだと確信し、寄せ波の力を使って、一気に引き上げる。魚が油断?している隙に糸をたぐって口に親指を入れ、下あごをつかみ上げる。

よっしゃぁああああ!

大物(60センチくらい)ゲット!

ここで逃げられては大変なので、そのまま護岸の岩を登って、海沿いの公園に出る、そこで初めて写真。因みにクック諸島の主都のど真ん中。日本に置き換えると、日比谷公園みたいなトコロ?

そんな公園の海岸から、いきなり変なアジア人がガッツポーズで魚を携えて現れ、写真を撮り始めるものだから、のんびりバカンスでこの島の中心に来ていた方々が、キョトーン。でもすぐに「おお、やったねぇ」なんて顔をしてくれる。これは嬉しい。

さて、持てあますサイズだけれど、魚も弱ってしまっているし食わなきゃいかん。が、まさかこんなのが釣れると思わないので、ナイフはおろか、十徳すら持ってきていない。



厚かましいお願いとは思いつつ、船着き場のそばのレストランに向かってナイフを貸してくれとお願いする。店員の人も、びっくり半分で「さっき向こうで釣り上げた人ね、ドウゾ!あ、写真撮らせて」なんて快諾してくれる。

キッチンの洗い場をお借りし、かわいそうなGTにここでトドメを刺し、エラと内臓を取り出す。パンパンの胃袋からはイワシやアジが出てくるかと思いきや、浅瀬でよく見るストライプの魚。この魚を食べに浅瀬に出てくるのかな?

しばしの間、洗い場を貸してくれたキッチンの皆さんにお礼をし、ガソリンスタンドでビニール袋をもらい、それに魚を入れてバス停へ。一時間に一本のバスが程なく到着する。今日は調子が良いぞ。

バスを魚臭くして、30分後に宿に到着。宿に戻ると、ちょっとしたヒーローに。

が、ここは南の島のバックパッカーズ。日本人宿じゃないので、獲物を食ってくれる人がいない。喜んでくれたのは宿の猫だけ。

ということで、格闘しながらなんとか三枚におろし、皮をはいでサクにしたGTは、丸一日かけ、手持ちの食材を使って全て平らげました。Cook諸島では自炊をする気満々だったけれど、全部自炊な上に、最後の4食には自分が釣った魚まで加わり、いろんな意味でCook諸島でした。ま、味はともかく(笑)。

ここから下は画像中心のアップデート。

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三枚に下ろして。

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中落ちもキッチリ確保し、

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アラ汁

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アラ汁ベースのベトナムうどん、フォー。

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カルボナーラに混ぜてみたり。

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もちろん刺身で頂いたり、

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炊き込みご飯にしたり

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食いきれないので、ニンニク醤油でステーキにしたり。見栄えが悪いなぁ。

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中落ちはそのまま醤油で頂いたり、

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唯一、喜んで魚を食べてくれた猫。



ラロトンガ島 / Rarotonga Island 中編

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ラロトンガ島 / Rarotonga Island 中編

クック諸島は、ニュージーランドの一部でもなければ、独立国とも言えないちょっと不思議な立ち位置の国。ニュージーランドとは、旧宗主国と自治領といった関係でなく、対等な自由連合協定という関係を結んでいる。

クック諸島とニュージーランドの関係を簡単、自由連合協定をザーッと書いてみると、以下の通り。

この人口1.5万人の「国」は、その名の通りクック船長に1770年に発見され、イギリスの保護領となる。その後、1901年にNZの属領となる。ただ、属領となったとはいえ、NZ自体がイギリスから独立したのはそれから46年後の1947年。それまで緩くイギリスがNZに任せていたクック諸島の統治は、NZに晴れて完全委譲される。

さて、NZは張り切って統治に力を入れたものの、そのNZの統治(張り切り)がクック諸島の伝統などに合致せず、クック諸島の住民の反発を招き、自治を要求する声が強くなってしまう。結局、クック諸島は独自に憲法、議会、首相を持つ、もう一歩踏み込めば独立といったレベルの高度な自治を有することになる。

通常であればこのまま近隣諸国と外交関係を結び始めたり、国際連合に加盟したりして独立に向かうのだけど、クック諸島はNZと対等な関係を持ち外交や安全保障を委ねるという選択をする。

それが自由連合協定。1965年に締結。

NZと結ばれた自由連合協定では、NZで働き、クック諸島に送金もできれば、NZパスポートで自由に海外を往来することもできる。これといった産業のないクック諸島では、このような条件は独立することより捨てがたかったのだろう。

現在、NZとしては、遙か彼方(東京から香港くらいの距離)の1.5万人の諸島の面倒を見なければならず、連合協定はさっさと解消し、独立してくださいよというのが本音らしいけど、クック諸島側は否定的とのこと。

え?

尚更分からない。それでは、お笑い芸人に例えてみよう。

一郎という大御所芸人の事務所から、一郎の一番弟子である二郎が一郎のお墨付きをもらって独立する。一郎は、一郎の事務所の新入りで二郎の付き人であった三郎も二郎のの独立に合わせ移籍させる。

さて、独立した二郎。新事務所設立で張り切る余り、三郎への指導が行き過ぎる。ここで、付き人な上に芸歴も浅い三郎が反発。二郎はすぐに破門でもすればよいものの、事務所自体が小さな所帯ということ、気の迷いが相まって、二郎は三郎を一人前の相棒としてしまい、コンビ「二郎三郎」を何故か結成してしまう。

無名無芸の三郎にとって、人気お笑い芸人である二郎とコンビ「二郎三郎」を組んだのは全くの僥倖。「二郎三郎の三郎です!」と自由に芸能活動する有様。

二郎はほぼ100%ピン芸人として活動。とんだお荷物を師匠から預かってしまったと思いつつ、生来のお人好しさもあって、売れない芸人の渉外活動の肩代わりをしてやることも多々あり、正式にコンビを解散するに至らない。やんわりと解散を打診しても、知らぬ存ぜぬの三郎に参っている状態。嗚呼、不景気だし、困ったもんだといったところ。

一郎が英国、二郎がNZ、三郎がクック諸島。

余計こんがらがった? すいません!

兎に角、

「英国がクック諸島をNZの属領としたこと」

ここが、ターニングポイント。これに尽きる。この英国の線引きが、自由連合を結ぶ根拠となり、NZが一存ではクック諸島を切り離せない論拠となり、クック諸島が大きく出る力の源になっている。

イギリスが、クック諸島の統治を国連の信託統治等なんかに託していたら、切り離されるように独立し、ツバルやキリバスのような厳しい国家運営という茨の道を歩んだと思われる。イギリスが何故、NZの属領にしたのか?そのあたりに興味が湧く。クック諸島という名前故か?

そんなことを考えながら、クック諸島の国旗のユニオンジャックを見上げると、なんだかその部分だけがいつにも増してピカピカ光るように感じる。

まあ、勝手な放言はこの辺りにしておこう。兎に角、変わった経歴・状態の国なのです。

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三日目は祝日。

ゴスペルデーらしい。なんだ?ゴスペルデーって。

祝日は島のバスが日曜スケジュールとなり、町もひっそりとしてしまうとのこと。幸か不幸か前日の晩から天気も悪い。ということで朝方まで読書をし、朝遅くに目を覚まし、ボンヤリと釣りに出かけ、宿の前のラグーンで小さなハタを釣ってすぐに引き上げ、戻ってハンモックにゆられて読書、炒飯を作って、また読書、時々PC。

なんていう一日を送る。

天気は悪いが過ごしやすい。日本の5月くらいの感覚。


ラロトンガ島 / Rarotonga Island 前編

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ラロトンガ島 / Rarotonga Island 前編

宿に到着したのは午後4時過ぎ。

日没まで時間があるので宿の近くのラグーンで少しルアーを投げてみるが、小さな魚が追いかけてくるだけ。ヒットには至らない。

6時前に宿に戻る。NZ時間だとまだ5時(夏時間のため、冬時間ならば2時間の時差があり4時。)くらいなのだけれど、遅寝早起き、飛行機で飲んだお酒などがジワリと効いてくる。Gショックのタイムゾーン表示はHNLとある。クック諸島は、ホノルルと同じタイムゾーンなのか。

少し横になるつもりがそのまま就寝。こういう寝入り方は翌日に疲れや頭痛が残ったりして嫌なんだよなぁ。。。と薄れゆく意識の中で考えたが、幸いなことにすっきりした目覚めだった。

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コーヒーだけ飲んで、竿を持って再度ラグーンに出かけるが、海藻がプカプカと浮かんで邪魔をする上に、風向きが悪く釣りにならず、早々に引き上げる。宿に引き上げ洗濯をする。

本でも読んでのんびりとするかと思っていると、町に行くから乗ってくか?と宿のオーナー主人が声をかけてくれる。釣り道具を軽くまとめてバッグに突っ込み車で中心部に向かい、中心部の西の埠頭前で降ろしてもらう。

小振りとはいえ、ラロトンガ随一の埠頭のある入り江は、深さもあってただただコバルトブルー。潮で洗われるからか風向きがよいのか判然としないけれど、ほとんどゴミも浮いていない。天気の良い埠頭で根掛かりにも気をかけず、ルアーをバンバン投げられるのは気持ちよいねぇ。

これで魚の一匹でもかかれば、最高なのだけどそうはいかない。メッキが追いかけてくるが、ふわーっと水中から現れ、ルアーを一瞥、二瞥、三瞥くらいして、ふっと消えてしまう。もう少し深いところを攻めた方が良いのかな?

数個あるルアーを取っ替え引っ替え試すモノの、結局一匹も釣れない。

場所移動。

大きなコンテナ船が入ることのできる埠頭から、地図にある小さな入り江に向かう。観光船やスキューバ船等の小さな船が数隻だけ停泊できるリーフの切れ込みになっているようで、こちらの入り江の周辺がラロトンガで一番賑わいのあるエリアのようだ。

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入り江の左の浅瀬は潮が動いているからか、川のようになっている。苔でも食べているのだろうか、キラリと時折腹を見せる水色の魚が、流れに逆らいながら十数匹で群れている。ルアーを投げてもただ逃げてしまう。ボラだろうか。ボラなら釣れないよな。

反応なしかと思っていると、水色のボラのような魚とは明らかに体色が異なる青い魚が悠然と泳いでいる。膝ほどの水深の川のような浅瀬にまさかGTなんてと思って、試しに近くにルアーを投げてみると。

悠然と泳いでいた青い魚が、突如ルアーに向かって突進、

ばっっちいぃいいんとルアーをひったくる。

強烈な引きがラインを通して竿に伝わる。

驚き戸惑いながらも、ウォッシャァアア!と竿をたて合わせる。

ヒットぉお! フッキング!

が、強烈な引きで、不安定な岩の護岸で体勢を崩してしまう。その体勢を崩した時に竿の角度が悪くなったのか、バッチーンという音と共に、竿の先の重みが無くなる。

嗚呼嗚呼嗚呼

ルアーを奪った魚が口に刺さったミノー(ルアーの一種です)を、外そうと、30メートルほど沖で波しぶきを上げ暴れている。活性が上がったのか、咥えているのは偽物の餌であるにも関わらず、それを奪おうとして、仲間のGTがウワーッと集まっている。その数5,6匹。どれも50センチ以上はありそうだ。

そして、なんとか外れたピンクの背のミノーに、他のGTが襲いかかる。ザバーン。なんたる獰猛さ!

そんな光景に見とれているうちに、仕掛けのセットし直しのタイミングを逸してしまう。そしてそのGTのアタックも、少し目を離した隙に見えなくなってしまう。

マーシャル諸島、グアム、そしてこのクック諸島。

メッキクラスを卒業した、50センチを越えた程度のシマアジ系の魚に、全戦全敗だ。ルアーを持って行かれるばかりで、一匹も釣り上げたことがないぞ。

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仕掛けをセットし直し、ダツを釣り上げる。

ダツは表層のルアーに対しての反応がすこぶる良く、偏光グラス越しの水面下を正に矢のように走ってくる。

矢のようだな?と思ったところでちょと釣り上げた魚が「ダツ」なのか「ヤガラ」なのか自信が無くなり、宿に戻ってすぐに調べたのだけれど、「ダツ」は内蔵辞書には掲載されておらず、「ヤガラ」のみが載っており、「簳魚」とあった。1番目の「やがら」の説明には、1、矢の幹。鏃(やじり)と羽根を除いた部分。普通は篠竹(しのだけ)で作る。とあった。なるほど。

話が逸れたけど、その後の釣りも市内散策もサッパリ。

切手と葉書購入程度の市内散策を終え、バスで宿に戻る。

島の中心であるAvaruaエリアを時計の12時とすると、宿は8時くらいの位置。Avaruaまで時計回りに来たので、帰りも遠回りとなる時計回りのバスにしてみる。これでめでたく島一周となったのだけど、バスから見た限りではだらだらと宿、リゾートホテル、島民の住宅地がだらだらと続くパットしない光景だった。

中心には緑の山がズドンと聳え、波頭が押し寄せる紺碧の海に島箱囲まれているけれど、ラロトンガ島は良くも悪くもそれまでで、それ以上のモノはないんだなと感じる。ダイビングにもトレッキングにも興味がない方にはちょっと退屈な島かもしれない。

食事を作ってそれを平らげ、洗濯物を取り込んで部屋に引っ込む。今日乾かした洗濯物の一部は、成田に帰ってから着るんだなぁなどと思ったりする。

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