ブバケ島 4日目/ Ile ha de Bubaque Day-4
西アフリカの人々は、日本人の感覚からすればかなり気楽に国境を越えて往来している感じがあるけれど、行き来するのがしんどい難所がいくつかあり、ビサウーコナクリ間もその1つ。
ギニアビサウとギニア(コナクリ)は隣同士。首都間の直線距離は300キロに満たず、どちらも大西洋岸に面している。けれど、両国の海岸は沼沢地や熱帯のジャングルであることに加え、大きな川が流れており、残念ながら首都同士を結ぶ真っすぐな道がない。
沼沢地や熱帯のジャングルを迂回するメインルートはロンプラ換算で2泊3日。沼沢地の小集落を辿るルートは、アドベンチャーに満ちて魅力的だけど、やはり2泊は最低かかりそうだし、個人的に体力と根性に自信が無い。
荷物が軽ければトライするけれど、釣り具やらが満載で、重い。乗り換えの度に小銭をせびられたりでイライラするのもアレだ。。。なんだか面倒だなぁ。。。。
と頭を悩ませていた矢先、ブバケ島行きの船で出会ったガンビア人のマイティーに「ブバケからコナクリまで船があるよ」というロンプラにも載っていないルートを紹介された。
そのルートなら、再度ビサウに戻る必要も無いし、所要時間はブバケでゆっくり船を待ってコナクリに向かうのも、一度ビサウに戻ってコナクリを目指すのもだいたい同じくらい。よし、ボートでコナクリを目指すか。一日半という所要時間でどれだけ消耗するかが勝負かなぁ。
ということで、最終的に今回はステップのギニアロードでも、沼沢のギニアロードでもない、海のギニアロードを選択した。
で、ぼんやり出発を待ってようやく今日はその出港日。
昨夜は少々ドキドキしてしまって寝ることができず。夜中に一度起きて、パッキングし直したりした。。。ったく、子供の遠足かよ。。。
当日は、待ち合せしていたポリスオフィスに出向き、イミグレーションの出国許可を受ける。*
が、その手続きをする前に、自分のパスポートを観たポリスが、何故かギニアコナクリのビザがないと勘違いし、パスポートを取り上げられてしまう。らららら?
その上、小さな島の小さなポリスオフィスはちょっとしたいざこざの「お白州」の役割を果たしているようで、ちらっと自分の相手をしたあとは、私が訪れる前に始まっていた家の修理代を払う払わないのいざこざの審議/仲裁にポリスが戻ってしまい、その裁きに区切りがつくまでかなり時間がかかってしまう。
そのお裁きが終わったあと、ようやくパスポートにビザが有る無し問題を説明して、事無きを得、パスポートを返してもらい、ようやくイミグレーションのオフィサーを呼んでもらう。しばらくして現れたオフィサーにようやくスタンプ(ポルトガル語はタンポン)を押してもらって解放。急いで宿に戻る。
荷物をピックアップして、波止場近くの食料品店で、一日半分の食料と水を新たに買い込み、予定ギリギリの時間にコナクリ行きの集合場所に辿り着く。
が、
「今日は、荷揚げ荷降ろしに時間がかかってて、明後日の出港!」
とのこと。
なんだよ、潮待ちとか夜の出港とかなら分かるけど、なんだよ明後日ってよぉ!うおおおおおぁえあ!ここまで船探しやら、ポリスオフィスで苦労したのが水の泡か、ぐおぉ。
高ぶってたテンションは急降下、正直、塩振蛞蝓状態。気分はグズグズ。そもそも明後日の出港というのも至極怪しい。西アフリカに来たなら、西アフリカ脳や、現地のスピードに合わせなくちゃいけないのは理解しているけれど、アフリカで交わされるmaybeやprobablyって言葉やゼスチュアに頼っていたら前に進めないなと、つくづく感じ、肩を落とす。
まぁ仕方ない。逆立ちしたって船が無ければコナクリには行けない。
切り替えて、宿に戻り再チェックイン。そもそもビサウ行きのボートも出払ってしまって、今日はこの島から動きようが無い。。。せっかくだから荷解きして釣りに出かける。
が、今日はいつにも増して潮流が激しく、波止場の周囲では渦すら巻いており、釣りにならない。嗚呼、ナルトが浮かんだラーメンが食いてぇ。
いたずら小僧さんが山姥に追っかけられる「三枚のお札」の話で、小僧さんが「大きな川出はれぇー!」と二枚目のお札を投げて叫び、山姥の前にドーンと大きな川を出現させたけれど、目の前の川の流れの猛々しさは、まさにそれを連想させる。
山姥はその水をグイグイ飲み干して、小僧を再度追いかけ始めるガッツの持ち主なんだけど、中年旅行者はボートが無ければ、ただただ途方に暮れてシナシナするばかり。ったく。西アフリカ恐るべし。
宿に戻って潮流が落ち着いた頃合いを見計らって、波止場に出かけると子供。
彼らと一緒にえさ釣りに挑戦するが、子供等も本日は調子が悪い様子。船着き場は、カシューナッツを乾かし場になってしまって、それぞれ思い思いの場所で釣りをしているらしい。小さなファジャリはいつものように波止場近くに群れていて引っ掛け上げられるけれど、そのファジャリをくくりつけた針に大きな魚が反応しない。
ということで、子供等のサポートを受け、えさ釣りにまで手を出した自分はまたもボウズ。港近くの飯屋が美味しかったくらい!
なんだか今日のアップデートには、小僧さんやら坊主がたくさん出てきたなぁ。
*ここでは出国審査だと思っていたけれど、ビジャゴス諸島への入域許可的「Entrada」な手続きだった。