柳京ホテル。あんまり近寄らせてくれない。平壌 / Pyongyang
北朝鮮観光の3泊4日は、初日と最終日が列車での移動となり、キッチリ観光できるのは2日間。1日は板門店とケソン/開城の観光、もう1日は平壌の観光になります。その4日間のために何やかんやで14万とか払っていると思うと気絶しそうになるけれど、まあ全部の国に行こうと思い立ってしまったのだから仕方がないか。。。。
平壌観光は、まず朝イチに万景台の金日成の生家を訪ね、その後地下鉄見学、主体思想記念タワー、朝鮮労働党のシンボルモニュメント、凱旋門を訪問して昼食、午後は遅めに出発し、少年宮を訪問して今度は早めの晩ご飯、その後にアリラン祭りという日程。金日成の生家とアリラン祭りは抗日運動やらと切り離せない内容になっているものの、一日かけて回るには丁度良いサイズだと感じる。そういえば、金日成主席像への日程は何故か変更されていた。朝鮮労働党のモニュメントから遠望した感じだと、主席像の背後で工事が行われているからかな?
列車に乗っている期間を除いて、全てガイドが付き、ホテルから出て一人になれるような自由時間は無しだった。終始監視されているような旅行に感じるか感じないかは、個人的なものになるかと思うけれど、ガイド2人にドライバーと自分の4人旅は、観光地の説明もガイドさんが時間をおいて同じ説明をしてたり、正直なところ窮屈だった。
北朝鮮の特殊な事情もあって、旅行者あたり300%のサポートが付いてしまうような個人で無理する系旅行より、吊り橋効果や、あらたな愛が芽生える可能性だってある団体旅行の方がいろいろ楽しいかもしれません。15人の団体でガイド2人ドライバー1人だったら、乗っかってくるのは20%のサポートになって気疲れも少ないだろうし。
そんな北朝鮮旅行だからか、ここ数年の日本人旅行客の訪朝は一年につき100人前後とのことで。同じ日程で訪朝し、別会社による手配での訪朝日本人旅行者が1人いたけれど、私がお願いした会社も彼がお願いした会社も、今年初めての訪朝者だったそうだ。日朝関係に解決していない問題が生じている事は確かだけれど、人間が行き来しなければ相互理解も対話も更に冷え込んで、不信の方が膨らむだけだし。その次の一手を打つ事だって出来ないだろうに。。。この有様。良い循環は起きないよな。
利用したバン。主席像が霞んで見える。簡単に行き来できず、行き来できたとしても大金がかかるのは、他ならぬ日朝関係と南北関係の冷え込み。国交が回復せず、不倶戴天の敵とか米国の子分扱いされれば、出かけて行くのは物好きだけになるよ。ったく。でも、そんなこんなで経済制裁して北朝鮮を絞り上げても、中国の激しい発達のおこぼれにあやかり、なんとかなりそうな印象も受ける。田舎はまだまだ発展からほど遠いところを歩んでゆくだろうけれど。。行き帰りの鉄道には中国のビジネスマンだって多かったし。
天災が数年続けばまた厳しい状況になるかもしれないけれど、このままだとなんとか北朝鮮の方が難局をのりこえちゃって、北朝鮮にもジャパンパッシングされちゃうのかよ。。。何て、中国の恐ろしいスピードで発展する様を見ていると思ったりもする。ガッチガチのガイド付きツアーに参加しただけで、何も見えないからこそ感じた事かもしれないけど。。
ツアーの内容が、植民地時代に塗炭の苦しみを味わされたぜ!なエピソードが散りばめられ、米国の手先呼ばわりを連発されるツアーに丹東出発で14万15万払う物好きの方がおかしいか。。。
観光地はたいしたものがないので、結局、日朝の対話の難しさが際立つというか、板門店の訪問や、平壌をつらつら来るまで回った事などより、一番印象に残るのが、いつまで経ってもこんななのかよ。。。な観光になってしまいました。
理由があるのか、建設機械がないのか手作業で壊してる。そんな旅行にトドメを刺したというか、印象を確定させたのは、タブーだと思っていた政治の話に,ガイドさんが意外にも突っ込んできたこと。そしてそれに、拙い知識で自分が受けて立ってしまったから。
そりゃ、どちらかというと左曲がりで、自虐史観気味な自分だって、何度も日本帝国主義がやった、現在の日本の政治はどうかしているなど、色々言われると。反発しちゃいますよ。自虐史観云々以前に、思慮がたらんので。。。
以下は、食事をしているときの会話。
観光から引き続く、日本がああだこうだに、うんざりぎみな僕から。。。
運「65年前に日本が行った植民地化は拭えないし、その後の塗炭の苦しみも理解している。国交が回復していないという状況もまったく建設的でないという意見にも賛成です。でも、それは理解できるけれど、戦後に生まれた僕らまでこうなじり続けられると、こちら側も”もういいや”という気分になってしまうんだよね。」
ガ「被害者と加害者の意識は違う。65年前のことと運び屋さんは考えているかもしれないけれど、私のおじいさんは、日本の警察に片耳をそがれ、指の爪をすべて剥がされた。そのおじいさんを私は知っているからもう終わりにという気持ちにはならない。」
運「(言いたくなる気持ちは分かるが、それを持ち出せたら議論が始まらないのでは?と感じて”しまい”つつ)それでは、反省の気持ちと保証を行うとして、国交を正常化する上で、日本側で一番問題になっているのは、拉致問題。夜中の海岸にいる人を殴って拉致し、故郷から何十年も引き離す事に関してはどう感じているのか?申し訳ないという意識はあるか?日本人は怒りを感じている。苦しみの大きさもあるだろうけど、お互い精算することはできないか?」
ガ「拉致問題は、朝鮮の政治体制とは異なる、悪い人間が起こした問題なのではないでしょうか?そもそも、拉致問題を長引かせている事こそ捏造なのではないでしょうか?」
運「。。。。。」
となってしまい、話している途中でなんか絶句してしまう。
それじゃあ何にも始まらない、我々の国が過去、短くない期間にわたって朝鮮に苦しい思いをさせたのは理解しているけれど、アメリカ人と話をするとき、原爆を落とされた事、日本中の都市を真っ平らにされた事をああだこうだ言わない云々。。。。と
グダグダ気味に話した気もするけれど。。もう内容は忘れた。。
平壌駅から少し外れた場所。このあたりは二昔前の中国くらいなかんじだ。ブログで政治云々は語りたくないですが、僕は、アメリカ追従な政治や外交を少しずつ見直すべきと考える輩です。その為、小泉首相の中途半端で実りのなかった(同然の)訪朝には疑問を感じたし、北朝鮮の核開発問題を棚に上げる(表現は難しいのですが。。。)ことが出来れば、日朝間で拉致問題の解決と国交回復が(言い方は悪いけれど交換するようにして)できるのではないかと夢想する人間の一人でした。
でも、拉致問題の話を始めると、ちぎって捨てるようにされて会話にならず、観光をふりかえると、抗日運動を梃子にするようなモニュメントやらの訪問なんかも少なくない。そういった話を聞かされ続ければ、忍耐のない僕はもういいや「ギブアップ」になってしまいます。
思想や考えからすると、多少方便をつかってでも、北朝鮮が取り込めそうなタイプな部類の日本人なはずなのに。。。
拉致された方やその家族の方々の事を考えると、呑気に北朝鮮を訪問している人間が何をぬかすか。といったところだと思うけれど、こんな国(人ではないです)との対話は少なくとも後回し!っていう感情になるよな。
周辺国全てと領土問題を抱え、その中に国交を結んでいない国があるというのはまあ、なんとも嘆かわしい話だと思う。政治家の怠慢、それを選んだ我々。外務官僚の無能さ、アメリカに自主外交を取り上げられた云々。
自分の阿呆さを棚に上げればいろいろ上げられるけれど、朝鮮風しゃぶしゃぶを食べながら、日朝問題やらがこじれたことを前の世代や今の政治になすりつけ、つまみ出した肉にこれまたコチュジャンをなすりつけ。。。
嗚呼、駄目な俺。
ドイツどこが違うのだろう。ぶつぶつ、しゃぶしゃぶ、ぶつぶつ。。。
人の交流は絶やしてはいけないとはいえ、やっぱり北朝鮮旅行はお薦めできないなぁ。ったく、戦争に負けた上、近くの国とまともな話もできない状態を子供の世代に放り投げしやがって。ぶつぶつ、しゃぶしゃぶ。。。
なんて。。。。。まあ、それを言ったら始まらない。しっかりしなきゃな。。
さて、町の様子だけれど、走って回った場所は二昔前の中国かそれ以前。北朝鮮には北朝鮮の尺度があるので、全否定するつもりはないけれど。やっぱりどんよりした印象。
車で少し走れば町並みが付き、すぐに緑豊かな田園風景になるのだけれど、未舗装道が多く、泥道や雨降りで小川状態の道なんかをとそこを歩く様や、人々の身なり、はち切れそうな布製のリュックなど。。。戦時中や戦後の日本をカラー映像で見たらこんな景色なのでは?なんていう気になる。アメリカと向かい合う、戦争するって事で生活がこんなになるのか?なーんていろんなことを重ね合わせる。
はい、長々ととりとめもなく書いてしまいましたが。。。
まずは、ワールドカップ予選の日朝戦をキッチリ成功させましょう!
完全停止不能状態を感じすぎてしまったため、ほんの少しでもいい風が吹く大きなチャンスであると。非常に大事なイベントだと感じています。
と、我田引水気味に平壌で感じた事をグダグダと書いてみました。あーあ、お馴染みの0歩進んで0歩下がる、360度回転しただけなアップデートだなぁ。
平壌周辺の観光地は、画像と簡単な説明でお許しを!
労働党のシンボルモニュメント。鎌とトンカチとペン。士農工商の商をぬかした感じかな?奥には「百戦」「百勝」の文字がマンションの上に。
テンション下がる(抗日含有度)度 ★★☆☆☆凱旋門。申し訳ないが何も感じないなぁ。。
テンション下がる(抗日含有度)度 ★★☆☆☆
プエブロ号
テンション下がる(抗日含有度)度 ★☆☆☆☆
少年宮。演目の内容を考えなければそこそこ楽しめる。欧米の旅行者は、北朝鮮の子供では
お馴染みのあの笑顔に時々引いている。。
テンション下がる(抗日含有度)度 ★★☆☆☆
人民軍サーカス。平壌で一番楽しかったかも。
テンション下がる(抗日含有度)度 ★☆☆☆☆
チュチェ思想塔 頑張ってるってのは理解できるのだけど、あんまりシンパシーが湧かない。
テンション下がる(抗日含有度)度 ★☆☆☆☆
地下鉄。 綺麗な駅しかみせてくれないんでしょ?というのは穿った見方過ぎかな?改札口で喧嘩する北朝鮮人民、手を振ると笑ってくれる人がいたりするのは嬉しい。平壌は地味な美人が多い?
テンション下がる(抗日含有度)度 ★☆☆☆☆アリラン祭 面白いけど1回でいいかなぁ。
テンション下がる(抗日含有度)度 ★★★☆☆
万景台 金日成氏の生家
テンション下がる(抗日含有度)度 ★★★☆☆