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オシュからカシュガルへ



オシュからカシュガルへ

 

アンディシャンから天気が一気に変わり、黒い雲が山にかかって
国境越えしたあたりで雨模様。
土砂降りではないのですが、
旧ソ連の田舎町というのはもともと侘びしいので、ちょっと
寂しげなキルギス。。



中央アジアやコーカサスでおなじみ、廃墟寸前系バスターミナルで

80ドルプラス100ソムのチケットを購入したものの。
なんとも侘びしく、ここで待っていると
鬱になりそうだし、頭も痛くなってきた。。。



つーことで、人が行き交う通りに出て、頭痛薬を

ゼスチュアで購入し、薬屋の前のチャイハナでシャシリクを頼む。。




で、このシャシリクが大当たり!旨い。挽肉のシャシリクをモッサモサいただき、

これが男のハンバーグじゃ、などとのたまいう。後からやってきた串焼きは、

ジューシーさは程々ながら、実に存在感があって肉肉しく食いちぎるようにして頂く。




口の中で溶けちゃうぅうとかいう肉も良いけど、上品なサシがきいたカルビなんかより、

名前も付かないようなまっかな赤身!とかのが旨いや、
そっちの方が肉食ってる感じがするなぁ。。。

 

相席になった地元の兄さんと「旨いねぇー、肉。。」なんて話しながら時間を過ごし、

そろそろ出発かな。。。と思ってバスターミナルに戻ると、一時間ほど時間を間違えたらしく、

なんだか出発する気配無し。。。






 

仕方ないので、通りで仕入れたサクランボやヨーグルトを食いながら、停車場の

寂れたキオスクでチャイを頂く。。頂いていると、
なんだかKAMAS(ロシア製の大型トラック)
の運転手のオヤジが現れ、
KAMAS遅すぎだろ、日野か日産にしろ」とかいってやりあううちに

なんだか仲良くなり、ウオッカを奢り奢られるながらワイワイ過ごす。






 

宴もたけなわになったあたりでオヤジが、手招きし闇夜に誘うので。。あらら?

と思ったのですが、向かったのはトラック溜まり。自慢のKAMASを見せてくれ、

車の奥から取り出したキルギス帽子をくれる。。という。



うー、グッスン、
ウズベクではブログに書けないようなトラブルもあったりで
少々凹んでたので、
オヤジの笑顔と抱擁がじんわり染みる。。。

 



お返しに、バスにぶち込んであった荷物から、アジアカップで活躍した

代表ユニフォームを取り出し、オヤジに着せる。表情からすると、

なかなか喜んでくれたみたいだ。。

 

シャシリクとサクランボにウオッカ。それとロシア製頭痛薬のおかげか

頭痛も、なんとなく収まり、今夜の寝床兼座席に。。。ウトウトしている中の出発で、

外は闇夜。船のようにバスが揺れ、夜中に何度か目が覚めかけるけど、すぐに

眠りに引きずり込まされ、倒した体を起こすことはありませんでした。疲れてるんだね。

 

 

 

 

目が覚め、窓の外を眺めると真っ白。昨日オシュで降った雨は山の上では雪に。。。


 


凄い景色が広がっていそうだけど、体に力が入らない。。。
目の前に窓の取っ手があるのに、
そこに手を伸ばすことすらできず、
ひたすら人の脂の染みついたバス布団でモゾモゾ。




どうやら未舗装の道路を、苦労しながら進んでいる様子。何度か泥道にタイヤがスタックし、

エンジンがうなるばかりで前に進まないピンチもあったようだけど、体が動かないので、

あんまりピンチな感じがしなかったなぁ。。



ようやく路沿いに地面が現れるようになり、
ようやく体が動き出す。



 

最高地点か分からないのですが、雪が一面を覆っている道の右手(?)は、ズワーっと

高原地帯が続き、左手(南?)は、近くまで天山の嶺峰が迫っている様子でした。。

 





さて、危なっかしい未舗装道路を進んでいくとウネウネと道が下り始め、

目の前に大きな渓谷が現れると、その渓谷の南沿いの波打つ丘をズンズン下り始めます。

丘のあちこちにトーチカが敷設されており、道路にその入り口をさらしていました。。

うーん、そろそろ国境地帯ってういことかな?





 

雪を頂いた山々も遙か遠くになり、韓国製や中国製の重機が道を拓いているところを

過ぎるとキルギス側のチェックポイント。巨大な山塊の懐のチンマリとしたポイントを

越えると先ほどの渓谷の川。あら?この川が国境じゃないのか。。。



峠の最高点らしき
場所を過ぎ、かなり走り、そのうえ川を越えたぞ?
と思っていると極地探検隊の基地のような
集落があり、そこから少し走ってようやく国境。


 


朝青龍系のゴツい兄さんに出国手続きの前の簡単なパスポートチェックを受けながら、

話を聞くところによると、月に10人ほどこの国境を日本人が越えるとのことでした。


 



で、小さな国境の標柱を通り過ぎて、中国へ。

 



まずは、の手荷物検査がこれまた執拗。



噂通りの非常に激しい手荷物検査で、三等兵みたいなのが、見事ウィグル関連の

某書籍を探し当て、同時に「多民族国家 中国」という本や、東トルキスタンの国旗に

色が似ているからか、タシケントでもらったウズベクの国旗を取り上げられる。。。

。。あと、全部ブランクのDVDも。。。

 

あたたたたた。。。やばい雰囲気だなぁ。。。

 

取り上げられたまま、一応バスに戻るように言われ、総てのチェックは下の

入国審査ビルで行うと伝えられる。。。うーん、その本に書かれていた内容もアレだし、

その本の内容の公安の取り調べとか弾圧を考えると、ちょっと洒落にならないぞ。。。



 

と思ったりしながら、バスで五分ほど走り、検疫や入国審査の建物がある集落へ。

 

到着後、バスの乗客で、「JAPAN!」と呼び出しをくらい、審査場のあるビルへ。。。

本を指さされ、内容を聞かれ、中国に帰れなくなったり、牢屋にぶち込まれてしまったウィグル人

のことが書かれている本です。。とびびりながら応えると。。

 

穏やかな通訳のオヤジに、新疆を豊かにするために中国も頑張ってるんだからさ、
分かるでしょ?
的に諭される。この本だけは取り上げになると思うが、まあ心配するな。
と言われ、バスに戻される。
その後、たっぷり3時間くらいの休憩の後に
ようやく入国審査が始まる。

 

DVDのチェックやらが済まず、自分だけパスポートを取り上げられたままなので、

入国審査が一番最後だったので、他の乗客に迷惑をかけたなぁ。。と思ったのですが、

 

それ以上に、積み荷の「サクランボ」の検疫と通関に時間を要し、執拗な審査官の

チェックとつまみ食いに運び屋のオヤジはお手上げ状態。。。おかげで、白い目を

向けられずにバスに戻ることができました。。




 

ようやく動き出したバスですが、





 

道は舗装されて良くなったモノの、集落や民家もまばらな谷間の荒れ地を
ひたすらカシュガルへ。
時々現れる集落の一部が崩れ、テントのようなものが
敷設されているのが少し気にかかる。。。
地震でもあったのかな。。。



 

二時間ほど走って、ようやく休憩。あたりの景色の黄土色に溶けてしまったようなプラントが

ずどんと横たわるだけの町でしたが、昨日のオシュからここまで、国境の売店でかった

月餅だけしか食っていないので、ここのラグマンが旨いこと、旨いこと。。。














無心になって食っていると、いつの間にか現れたヨーロッパ系のお兄ちゃんが、
声をかけてくる。。



 

どうやらチャリダーで、スウェーデンから、中欧、トルコ、中東、エジプト、スーダン、

エチオピア、ジブチ、イエメン、オマーン、UAE、イラン、中央アジアと抜け、中国に

入ったとのこと。。。凄いねぇ。旅先で会うチャリダーっていうのは、目の輝きの強さが違う。

 



ラグマンもウメー!とか英語で言って、楽勝でおかわりしてる。

あと二ヶ月で北京に向かうようだけど、まあ彼なら楽勝でしょう。すげぇなぁ。。。

 

出発前にムスリムの乗客はきっちりお祈りし、それが終わって再出発。

一時間ほど走ったところで、ようやく町らしい町が現れ、そこで
仲良くなった隣のオヤジが途中下車。



完全に日が暮れてしばらくし、ようやくカシュガルに到着。

国境を走り出してからだいたい4時間。

なつかしのカシュガル長距離バスターミナルには、
隣の市場から羊を焼く匂いが漂ってきておりましたとさ。。。


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