calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

categories

archives

メールとTwitterアカウント

courier_jpn☆hotmail.co.jp

☆を@に変えて!



Twitterアカウントはcourier_JPN

ファカオフォ / Fakaofo

R0023553.JPG


ファカオフォ / Fakaofo

夜が明けて甲板に出ると、千切れた芝生がポツリポツリ浮かぶように環礁が見える。35時間ちょっとの船旅は、島影一つ見なかった上に、大きなうねりにグワングワン揺らされてきたので、椰子の木がようやくへばりついているようなファカオフォ/Fakaofo環礁の見栄えは、非常に頼りない。島には高所といったものはなく、船が揺られているうねりの高低差より、遥かに低い。

R0023516.JPG

R0023517.JPG
船のマスコットキャラ。降りるぞー!


R0023524.JPG

R0023530.JPG

島に波止場はあるものの、リーフの切れ込みといった程度のもので、平底のボートがようやく入ることができるサイズ。朝8時過ぎにその波止場から貨物船サモアエクスプレス号に近づいてきたボートに、バビョンと飛び乗る。まずは乗客を島に運び、その後に必要物資なんかを運ぶ様子だ。

R0023533.JPG

R0023534.JPG

上陸するとさすがに陸酔いがしてフラフラする。船に乗っていっときより遥かに気持ち悪い。ボートにも同乗していた警察官の簡単な荷物チェックがあるけれど、ここではパスポートのチェックはなく、島に滞在するかしないかだけを聞かれたのみだった。

R0023536.JPG

結局、あとからでパスポートスタンプは押されるのだけれど、葉書を買うため出航前に立ち寄った小さな庁舎で、切手と葉書を売ってくれた男性が、出入国の管理も兼務しているようで、「あ、そうだ、パスポートにスタンプを押さなければね!」なーんて言われ、押していただくことになるのだけれど。。

葉書に貼る「スタンプ/切手」も、切手を貼った葉書に押す「スタンプ/消印」も、パスポートに押す「スタンプ/出入国記録」も同じ机に転がっていて面白かった。

あ、話がそれた。

波止場を出ると、同じ船だったニュージーランド人教師がおり、彼は数学を島の先生の教える先生との事だった。彼が数週間滞在するゲストハウスのオーナー夫妻と彼に招かれる。ゲストハウスは波止場から見て島の反対に位置しているのだけど、このファカオフ環礁の中心となる島は本当に小さく、歩いて5分もかからない。ジョギングで島を一周するのにもやはり、5分もかからないとおもう。

R0023541.JPG

ゲストハウスは礁湖側に面しており、波打ち際の透明な水がどんどん青みを増して群青になり、その向こうに途切れ途切れの環礁とその緑、そして空といった景色。

オーナー夫妻と話すと、景色は最高なのだけど、島の小ささや水事情の悪さ、そして退屈さに少しうんざりしているようだった。そうだなぁ、確かに旅行者として訪れるには、絶海っぷりも、たどり着くためのプロセスもこれ以上ないシチュエーションなのだけど、狭い島に寄り添って住んでいるような感があり、窮屈さは否めないな。ゲストハウスと言っても、実際の所は、長期滞在者の下宿みたいな役割かもしれない。

R0023550.JPG

静かな南の島、ゲストハウスからの眺めは最高なのだけど、海から少しだけ突き出した山の頂上のような場所。気が滅入っても、エロスな気分がムクムクしても、この島の中でなんとかするしかない。島ではどうにもならないあれこれをなんとかしようとしても、船便は、月に2本か3本。その船旅は2泊かかる上、出られたところでまずはサモア。。。うーん、

R0023551.JPG

それでも、絶海度からすれば同レベルなキリバスやツバルの離島に比べ、さすがのニュージーランド領。インフラ過多と言えるくらい必要なものはそろっている。

物資のバリュエーションや交通の不便さを除けば、家並みも何となく調和がとれており、風と波の音しかしないファカオフォはやっぱり贅沢な場所かもしれない。すれ違う人も皆笑顔だ。

手に入る食材を日本風にアレンジ振る舞ったりできるような調味料や包丁やら、そしてどっさり本を持ちこめば、快適かもなぁ。

ゲストハウスの近くで水を御馳走になったトケラ人のおばさんは、

「電気は通ったし、インターネットも通じてる。もう何もお願いできないわよね。」

だって。

ま、島の印象はそんな所。島でも大きな位置を占めているであろう協会の存在や、ニュージーランドと行き来するトケラウの半出稼ぎ、半移住者なんかと話したり、漁にお付き合いさせてもらったり、隣の島にある学校(メインの島に学校が無い)にでかけてみれば、更にいろんな事を知られるのだろうけど。

R0023543.JPG

R0023544.JPG

R0023545.JPG



オーナー夫婦にコーヒーを頂いて、さっそく強風の中での釣り開始。。しようと思ったら、船が一緒だった女性二人と子供二人が、波打ち際で何か食べており、その切れ端をこっちに向け、「ローフィッシュ、食べなよ」と言われる。味付けは海水のみのトビウオを生でモサモサ食っていると、オーナー夫妻と数学教師が軽く引いていた。おーい、寿司は嫌いじゃないよね?

気を取り直して、釣り開始するもののこれまた風が強い。

R0023547.JPG

R0023549.JPG

R0023560.JPG

リーフの切れ込みか、ラグーンの浅瀬なんかを丁寧に攻め、カスミが何回か追いかけてくるものの、バイトには至らない。シチュエーションが最高なだけに、強い風が恨めしい。風裏の波止場の岸際や、リーフの脇でハタの仲間を何匹も釣り上げるけれど、どうも釣りをした気にならない。まあ、そんなダレた釣りを昼過ぎまで続け、さすがに疲れて島の庁舎で葉書を買ったりしているとタイムアップ。そろそろ船がでるとのこと。

R0023563.JPG

ファカオフォのあちこちで、自分が日本人だと言うと、

「アキを知っているか?」

と良く尋ねられた。今年、この島に3週間以上滞在された日本人の方がおり、その方が実に素晴らしい滞在をされたようで、

「ニューヨークから葉書が来たよ!ありがとうって伝えておいて!」

と庁舎の男性もおっしゃってました。トケラウの情報が少ないため、もうあの方だろう、とだいたいどの方か分かるので、まずはこの場をお借りして、「あんたは偉い!」と賞賛させていただきます。

R0023566.JPG

R0023568.JPG

R0023574.JPG

R0023578.JPG

R0023580.JPG

波止場に戻ると、島からは、島からでたリサイクルゴミが積まれてゆく模様。南の島は、青い海と空、そしてゴミという三点セットお決まりだけど、ゴミ問題にニュージーランド政府は真摯に取り組んでいるのかな?もしそうなら、また少しニュージーランドが好きになってしまうなぁ。


コメント
マロー!とても昔にナウル渡航の際にお世話になりました、アキことuukuiと申します。無事トケラウ旅行を完遂されたようで、ブログの記事と写真をうらやましく拝読させていただきました!ニューヨークから手紙が届いて何よりです。でも、トケラウ大統領とエリック君と、違う国から2通送ったんだけど、一通しか届いてないのかなぁ?ちなみに私がファカオフォから日本に送った葉書はまだ日本に到着していません(笑)アタフとヌクノヌからの葉書は無事届いたんですけどねー。
次はピトケアンに行かれるそうですね!私はまだ行った事が無い場所がたくさんあるので、これからもちょくちょくうらやましいなーと思いながらブログに遊びに来たいと思います。お体にお気をつけてー!
  • uukui
  • 2011/09/01 3:24 PM
アキさん!

こういう書き込みはマジで嬉しいですね!ブログやっていて良かったです。アタフから船で一緒だった男性は、「アキが歩いて環礁を回るって言うからやれ!って行ったんだけど、遅くなっても帰ってこなくてYO!心配したんだぜ!」なーんて言ってました。間違いなくトケラウで一番有名な日本人ですよ、アキさん!

私の今の旅のスタイルでは、アキさんのような体験はなかなかできませんが、トケラウをはじめとして、南の島がハワイやグアムだけじゃない事を、日本人の皆さんに知っていただけるよう精進します!頑張りますよー!
  • 運び屋@ヴィントフック
  • 2011/09/01 10:22 PM
そのアタフの方はたぶん医者のラメカさんですねー。その人の家に2週間位泊まってたんですよー。その人もとっても良い人でしたよ(笑)環礁を歩いたときは、「あー、これは暗くなって海を渡れないから、今日はこの無人島で野宿かな。ラメカさん、そろそろボートで探しに来ないかなー。」とあまり危機感なく待ってたら本当に心配して迎えに来てくれました(笑)ラメカさんはまたサモアに行ったんですか?ニュージーランドに行くのかな?暇なときにメール出してみようと思います。
実は僕よりも前に日本人はたくさん滞在したことがあるようで、ファカオフォで4ヶ月滞在した政府関係の方や、アタフで大学の先生が2ヶ月くらい滞在したりと、案外日本人が行ってるみたいなんですよね。まだ排他的経済水域が曖昧だった時代には日本から漁船が頻繁に来てたみたいで、日本人漁師さんもちょくちょくトケラウに上陸してたみたいです。日本人って半端ないですよね(笑)ちなみにトケラウ滞在中に暇だったのでいろいろ調べてみたところ、大学教授の方は小野林太郎さんという方らしく、今は東海大学の教授をされているそうです。「南太平洋を知る58章」という本の執筆に協力されたらしく、それにトケラウについての記載があるそうです。
あー、南太平洋、もう一度じっくり回りたいですねー!
  • uukui
  • 2011/09/03 11:22 PM
uukuiさん

心温まるお話ですねぇ。

僕も小さなボートと操って、風裏や潮をみてトケラウ人に負けない釣りをしたかった。。。

彼らのような特殊な状況にある人たちの世界観や、ニュージーランドや周辺国との関係がどのようになっているのかもう少し知りたかったです。

知る〜章シリーズは、地域を決めうちで訪問するときは、必ず手に取るようにしている本です。西アフリカとアルジェリア辺りは、その本で予習してからでかけました。。。南太平洋は。。。すんません!勉強不足!

でも、あのシリーズは、代表的執筆者とその他数人で、きっちり書き上がっており、ためになりますねぇ。。

今度日本でお会いしましょう!いろいろお話お聞かせください!
  • 運び屋@アンタナナリボ
  • 2011/09/06 5:59 AM
ちなみに私はその本、読んでません、すみません、すみません。。(笑)
運び屋様はお忙しそうで、こちらはもうしばらく暇をしている予定(←えっ?)ですので、お時間、ご都合の良い帰国がございましたらお声がけいただければ幸いです。引き続き、全世界制覇、陰ながら応援しています、頑張ってください!
  • uukui
  • 2011/09/07 1:17 AM
uukuiさん

中身の薄い旅が続きますが、あと少し!気を抜かずに旅を続けたいと思います。島旅系の方と何人かお会いしてますので、島馬鹿飲みでも設定しますね!

うっしゃ!頑張りますよ!
  • 運び屋@サンドニ
  • 2011/09/07 5:42 AM
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック