四国遍路 Shikoku Henro Day-14
四国遍路 Shikoku Henro Day-14
現在では四万十市となった土佐中村までは鉄道を使うかもという仁さんに挨拶し、早めの出立。三十八番札所、金剛福寺に向かう。
三十七番岩本寺からの金剛福寺までの距離は、約80キロ。
高知の札所も残るとこあと二つ。。。。なのだけれど、日本有数のアクセス至難の場所だけあって、人口も希薄になり、相応に札所の数も少なくなる。
三十六番札所 → 三十七番札所 約60キロ
三十七番札所 → 三十八番札所 約80キロ
三十八番札所 → 三十九番札所 約50キロ
と、土佐の最後の三つの札所間の距離は長い。
高知県は右手の甲の親指と人差し指の根元で、直角を作ると、距離感や感じが掴みやすい。親指の先端が室戸岬、人差し指の先端が足摺岬、指と指の間の水かきのような平かなあたりが高知平野あたりになる。
旨く説明しきれているか分からないけれど、土佐は、札所が集まっている水かきの部分、高知平野のを抜けてからが長い。窪川はどの辺りだろう。かなり歩いてきたけれど、まだ人差し指の第二関節あたりだ。
長さ、国道の脇の歩道の単調さが、修練の道場と土佐が称されるゆえんだけれど、旅の道連れさんや、日替わりエピソードで、危険信号が灯る事も無く乗り切ることができた気がする。そうそう、足の痛みが心配する程でなくなったことも大きい。
7時、瑞々しく張りのある空気の中を、歩き始める。雨に洗い流され、まさに、「世界が新しく生まれ変わる」といった表現がピッタリな一日の始まりだった。
国道を進んでいると、岩本寺の宿坊に泊まっていたという山ちゃんとすれ違う。二回に分けた区切り打ちを、青龍寺辺りから始めたばかりで、「滝行」大好き!という面白いお姉さんだった。
5キロ程歩いて、片坂峠。
峠までは平坦と行ってもよい程の緩い上り、そして峠から急降下。まさに片坂な道。下りがキツいので、国道は傾斜を交わすためつづら折りになっており、土佐中村への鉄道は、この峠道を大きく迂回するように敷かれている。けれど、そんな峠の遍路道は足への負荷が程々な、気持ちよい山道。できるならこのままこの道が足摺岬まで続いてくれ、と思う程だった。
山道を抜け、国道に合流する所で見覚えのあるお遍路さん。
あ、香ばしいご夫妻に捕まった卒業旅行の遍路さんだ。
どうやら、窪川では民宿に素泊まり、今日はできる限り歩いて、明日中に足摺岬!な計画な様子。しっかりとテンポの良い歩調そのままの好青年。ペースが同じなので、細い歩道を前後二人で並んで歩く。
歩き始めて2週間が経ち、四国のはずれまで来て、出発日が一緒の歩き遍路の方と一緒に歩く。自分が歩いた道を歩き、感じた苦労や喜びは、同じかな、でも人はそれぞれ違うのかなぁ、なんて思いながら伊与喜駅までいの10キロ、2時間ちょいを一緒に歩いた。
伊与喜の駅から熊井隧道経由の遍路道。
一人になってしまったけれど、天気がよく気持ちがよい。
遍路道から、国道56号に戻ったコンビニで休憩中、逆打ちの女性のお遍路さんに会う。今日はここから愛媛の女友達の車のお接待で、岩本寺、青龍寺を目指すとの事。愛媛の女の子が可愛くって、一緒に乗りたいくらいだったけど、2日連続で風呂に入ってないんだよね、俺。
午前11時45分 土佐佐賀の集落着。
黒潮町佐賀公園駅と、井の岬トンネル手前のたこ焼き屋さんで休憩。
そういえば、高知はたこ焼き屋さんが多い。
今日は、早めに歩きを切り上げ、土佐中村市内でキャンプ予定のため、くろしお鉄道中村線浮鞭駅にて、午後2時40分。歩きを終える。
少し遍路道から外れる浮鞭の集落を通りながら駅に向かっていると、おばあさんに、
「杖を触らせてください」
とお願いされたので、喜んで差し出す。自分のような未熟者がついてきた杖で、おばあさんは幸せになれるか、願いは届くのかなぁなんて思う。
浮鞭の駅では、乗り遅れそうになる列車が出発しないよう、運転手さんに声をかけてくださったり、鉄道の中では、缶コーヒーのお接待頂く。
キャンプ場に向かう前に、中村市街で食材を買い入れ、コインランドリーで洗濯をし、局留めの荷物を引き取って、ハイヤーで四万十川河原の市営キャンプ場。
初めてテントを貼って、初めての本格的な自炊。
初キャンプも嬉しいが、四万十川の河原でキャンプ!って、文字にするだけでなんだか酔っちゃうなぁ。なんだか嬉しいぞ。ま、キャンプ場は遍路道のルートからはかなり離れてしまっているんだけど。
よし、もう一度、文字に。
「足摺岬を目指すにあたって、この四万十川
河原をベースにする!」
以上! 午後9時就寝。
14日目
歩行距離 / 約34.55Km 岩本寺近くのガレージ 〜 くろしお鉄道 浮鞭駅
お寺 /
- 2012.06.03 Sunday
- 四国遍路
- 15:48
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- by 運び屋
野鳥の会の中四国ブロック会議で毎年高知県はたこ焼きを接待してくれる
他県は買ってきたつまみとか名産の菓子でお茶を濁す程度
たこ焼き器も材料も持参で、メンバーが変っても、必ず夜になると、日本酒とたこ焼きが出てくるので不思議だった
夫はリハビリ中で退屈してます
暇つぶしに苦労してる
ひたすら動き続けている運び屋さんには脱帽です