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遊郭があった町にゲストハウスを?

 

遊郭があった町にゲストハウスを?

 

営林署や国鉄の拠点で、木曽郡の人々が集まった町として機能し、文字通り郡都として繁栄した木曽福島。

 

木曽路ブームや御嶽教の巡拝で、もう来ないでくれっていうくらい観光客が押し寄せた時代は昭和40年代と違い、2017年の今は「宿泊施設を建てればハイ満室!」のようにはいかない。ただし、降ってわいた。いや、ゲストハウスならあそこしかない!と思っていた場所での提案のチャンスである。

 

日本の地方都市を歩くと、「昔は、この街にも映画館が、ボーリング場が」なーんて言われ、「えー!」とこっちが驚きつつ心の中で、「ああ、ここもか。」なんて思ったりする場面や人の話に触れることがよくあるが、御多分に洩れず、「高度経済成長期とその寸前までの地方が元気だった時代あるある」はこの木曽町でも耳にする。

 

栄華を誇った時代には、映画館が2軒あったし、フルーツパーラーもあったそうだ。90年代まで営業していたボーリング場は、そのままリノベしてスーパーにされてたりもする。そういった時代があり、オイルショック、キャンディーズ、モータリゼーション、国鉄民営化、おニャン子クラブetc…といった時代を経ながら、これまた他の地方都市と同じく、木曽町もゆっくりと右肩下がりな時代をたどっていたのだが、スキー客の激減と御嶽山の噴火が大ダメージとなり、下降線のカーブが厳しくなった様子。なかなか厳しい。

 

隣町の高山(とはいえ、中心部間の距離は85Km)が、季節を問わず、国内外の観光客で溢れているのに木曽福島は静かである。

 

おっと、旧旅館の話にしなければ。戻そう。

 

駅から程ないところにある旧旅館は、木曽名物の「崖屋造り」な構造になっている。

 

宿場町や町屋が奥行きのある造りになっているのは珍しくないが、木曽川に削られたV字の谷の底に位置する木曽福島は、平らかな場所が極端に少なく、斜面に段々畑のように削平した平場を作って、半ば強引に軒が連なって、街並みが形作られている。

 

そういった土地に建てられた家は、見た目以上に上下に間取りが伸びていたりして、裏からみたら3階建ての家が表から見ると平屋だったり、その逆もある。「崖屋造り」である。この元旅館もその様式が取り入れられ、中山道沿いから見上げた印象は、こじんまりした2階建旅館だったのだけど、玄関を入ると、上に登る階段、下に降りる広い階段が備えられている3階建てになっていた。

 

実際は地下室のように見える風呂場や倉庫、従業員さんなんかも住まうことができる1F、玄関があって、宴会が開ける大広間の他に、二つほど部屋のある2F、客室タップリの3Fという間取り。開けてびっくり。奥行きに加え、上下にもゆったりしたスペース。第一印象、いや、内覧しての第二印象は、「手に余るサイズ」である。要は広い。

 

大は小を兼ねるため、きっちりベッド(布団)数を稼げるから、無理にリノベしなくてもたくさんの宿泊客を泊めることができるし、団体客の一度の来客を受け止めた広々とした玄関や宴会場を多目的に使える。そして、もちろん、元旅館業を営んでいたというメリットも大きく、旅館業の免許も再取得しやすいだろう。そして、駅から5分もかからない立地。

 

という類稀なる条件を兼ね備えているのだけれど、いいことばかりではない。

 

木曽はその気候が故に、閑散期が長い。現代の木曽路を楽しむ人は、中山道やその周辺を歩く国内外のお客さんが多いのだけれど、さすがに12,1,2月は歩けない。前後の11,3月も三大都市圏な感覚からすれば冬。この閑散期をどうするかが鍵だ。そして、もう一つ。シェアハウスとして運用されている現在の光熱費から想定される、ゲストハウスにした時の冬の光熱費は、お客さんが来る来ないにかかわらず、10万円/月を軽く超えそうな感じである。これが家賃に乗っかる。この売上原価の高さ、特に冬がハードルだ。

 

予測される厳しい事情を「忘却力」で見ぬふりにしてしまうことも、楽観的な数字でジャンプすることもできない性格なので、友人が金沢にゲストハウスを開いた事業計画案や企画書を焼き直し、数字を当て込んで行くと。。

 

うう、辿り着いた金沢の喫茶店で、頭を抱えてしまったのだった。


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