小指の先ほどの英国の経験と貧乏系旅人の視点では
なかなかこの国を捉えることはできません。
物価が高い上にロンドンっ子はとっつきにくく。。。
なんていう先入観が邪魔する上、自身も成長していないことなどもあり
いつまでたっても構えてしまうロンドンだったのですが、
天候にも恵まれ、ロンドンの地理関係や雰囲気になれたこともあり、
今回は肩肘張らずのんびり町を散策しています。
ホテルの朝食バイキングをたらふく食べて、地下鉄パスで
博物館めぐりや写真を撮るだけだったら、大してお金もかかりません。
この時期のホテルは漏れなく強烈なお値段ですし、
貧乏臭く朝食をがっつりとってしまうため、
なんだか一日中腹ごなししてるような感じです。
そんな運び屋ですが、第一日目は、例によって大英博物館。
今回はアジア、特に朝鮮半島と日本の展示をじっくりと見学しました。
ここは、この国の人がどのように日本とその歴史を捉えているか、どのように
現在の日本を理解しようとしているか、客観的に捉えることのできる場所。
ざっと回ってみると。
先史以来、中国や朝鮮半島の影響を受けつつ、日本独自の文化を育んできた
日本という国に150年ほど前の西洋文明が流入し、急激な近代化西洋化を遂げ、
その過程で軍国主義化し、戦争をし、敗戦。その後廃墟から奇跡的な復興を遂げる。
という急ぎ足ながらおおまかな日本の歴史をたどることができます。
小さなスペースで展示できるものに制限があることもありますが、
展示物の中心になっている武士や、江戸文化などは掘り下げた説明が
少ないような気がするし、近現代史にいたっては、完全にヨーロッパから見た
日本的な視点になってしまい、運び屋的に日本人として伝えたいものは
展示し切れていない気がしました。
大英博物館というフィルターを通して見る、
日本と明治維新以降たどった近代史は、奇跡的で他に類をみない
発展ながらも、どこか滑稽な(鹿鳴館的な)匂いが感じられます。
なんだか、「頑張っている感」に哀愁が漂うんですよね。。
日本の近代化は、廃仏棄却を始めとする文化大革命を伴っていて、
その過程でそれまでの文化や習俗の面で多くの物を失っています。
伝統を重んじるイギリス人にとって世界にとっては、信じがたく、
時に滑稽に写るものなのかもしれません。
ただ、この時代は日本的伝統が失われた時代であったと同時に、
世界に誇れる傑出した人物を多く生み出している時代でもあって、
富国強兵、幾たびかの戦争。そして敗戦を経験しているからといって
端折られたり、戦勝国側に全否定されてはたまらないんだよな。。。等と
思ってしまうのでした。
大英博物館の日本展示スペースで説明しきれていない
「日本の近現代史を支えた人物たちの行動や考え方が、
現在の日本人の規範になり、今日を支えているんだぞ。。。」
。。。という部分は、
訪問客の後ろに回りこみテレパシーで送り込んでおきました。
伝わったかな?