TICA BUS DE 20時間*2 中米4カ国激走
TICA BUS 「ティカウス」と読みます。
中南米を陸路で移動されたことがあるなら、お世話になった方も
多いかと思いますが、パナマからメキシコ(全土ではない)まで、
首都間路線を中心に定時運行で走るバス会社。ターミナルの
離れ具合やサービスの充実度が、パキスタンのサンミダウーに
なんだか似ている。
できる限り多くの中米の国を訪れようと思って調べていたら、この
バス会社が見つかり、これでコスタリカとエルサルバドルを往復すれば、
3泊4日でも中米4カ国が訪問(通過)できそうだったので、サンホセ到着後、
迷わずバスターミナルに出向き、往復のチケットを手配。
往復料金(Exective)は119ドル。他に出国税などが片道17ドル。
往復の総額は、153ドル。Webでは往復116ドルとあるのに、当日
カウンターでチケットを求めると119ドルだったので、正確な片道
の料金はわかりませんが、75-80ドルかと思います。
コスタリカの首都サンホセから、エルサルバドルの首都サンサルバドル
までの距離は約1,000キロ。途中、ニカラグアのバスターミナルで
停車したり、国境のチェックポイントで時間がかかり、Exectiveという名の
直行便ですと、サンホセを朝の3時に出発して、その日の夜11時に
サンサルバドルに到着というスケジュールになります。
さて、2時にホテルをチェックアウトし、歩いてサンホセのTICAバス
ターミナルへ。。。比較的安全というなコスタリカとはいえ、夜中の一人
歩きはちょっとよろしくないなと思いますし、バスターミナルのある
エリアは、路上生活者も少なくないので、気をつけて行動しましょう。
昼間はつぶれかけた集配センターみたいだったバスターミナルは、
夜中の2時になると、出発客でなかなか賑やか。出発前のチェックインを
眺めている限りでは、同じ便の乗客はグアテマラ国籍の方が多い。
中米の都市間の片道フライトは、ざっと探しまわった感覚ですと、
最低200ドルスタートくらい。。。とまあ相応といえば相応なのですが、
バジェットキャリアに慣れてしまったため、どうも高く感じてしまい、
早いとこバジェットキャリアが価格破壊してくれれば、もう少し
このグアテマラの人たちの選択肢も増えるだろうに。。。と思う。
バスは定刻の3時より少し早く出発。ほどなくして照明が落とされ、
無理矢理目覚ましで起きたからか、自分もスッと寝てしまう。。。。
何度か目を覚ましたような気もしましたが、意識がハッキリしたのは
朝の5時頃。その割にすっかり日が昇っており、午後6時頃で
暗くなってしまった昨晩と比べると、サマータイムでも導入すれば
いいのに。。と思う。
ただ、このバスでサンホセに戻ったとき気がついたのだけど、
この国の人は6時頃から何の問題もなく町が動き出しますし、
そもそも赤道に近いので、季節によっての日照時間の差は
あまりキツくないかもしれず、サマータイムであたふたする
以前に、日が照っている時間帯を大事にしているのかもしれません。
6時頃、ちょっとした地方の中核都市のような町の交差点で停車。
朝食休憩には少し早いな?と思っていると、交差点の
バーガーキングからちょっとしたケータリングがバスに持ち込まれる。。
お、食事も出るのかい!と喜んだのもつかの間。出てきたのは、
バーガーキング謹製、フレンチトースト。。。うー、重いな。
と言ったものの、しっかり完食し、食べ終わってしばらく
ジャングルを走っていると、道沿いのトレーラーが目立ち始め、
7時頃にコスタリカのチェックポイント。
ここで出国手続きを済ませ、ニカラグアのチェックポイントに
向かう短いバスでの国境越えの間、パスポートが集めらる。
チェックポイント到着後、バスから降ろされバスの中を税関検査
している間に、入国審査はバス会社のポーターが済ませる方法。
バスが停車するドックには、お土産物なんかが売られていますが、
心を魅かれるようなものはなし。どうやら革製品が名物のようで、
同じバスのオバサンが、皮のサンダルを買っているけど、まあ
荷物になるし、これから日本は冬だし。。。
その他と言えば、両替商が札ビラをピタピタ数えたり、物乞いの
親子がフラフラしていたり程度で、この国境だから!というものは
あまり感じない。。出国の列に並ぶ必要がないならないで、その
時間が手持ち無沙汰になる。。というのも一長一短だなぁ、などと
思う。
すべての出入国プロセス作業が終了し、バスがマナグアに向かった
のは午前9時。コスタリカのチェックポイントから数えると
約2時間国境越えに時間を要しました。
時々通り過ぎる道沿いの景色が、コスタリカに比べポンコツに
なったかな?程度で、引き続きジャングルとそれを切り開いた
大農場の景色が続き、退屈からウトウトしてしまい、気がつくと
バスはスピードを抑え気味に町中を走っており、米系のチェーンが
やたら目立つなぁと思っていると道を住宅地に折れ、ほどなく
マナグアのTICA BUSのターミナルに到着。
ターミナルで飲み物などを買い、おつりのプラスチック紙幣を
眺めてイイネイイネとつぶやいていると、出発のクラクション。
少しスケジュールがおしているみたいです。
席に着くなり、このターミナルで乗せた新しいランチボックスが
各席に配られ、それを頬張っている間に小振りなマナグア市街は尽き、
またもやジャングルと大農園。ただ、少し走るとゆったりと裾野が
広がる火山や湖が現れ、少し救われる。
バスがニカラグアのチェックポイントに到着したのは午後3時過ぎ。
多少の休憩を挟んだものの、中米で最大の面積のニカラグアも、
一気に駆け抜けてしまえば、6時間程ということか。。。
中米のどの国も山がちな上に、元気に木々が生い茂るジャングル。
ハイウエー以外の道は、なかなか厳しそうだけど、旅行者泣かせの
泥棒やら強盗といった悪評が無ければ回りやすいのになぁ。。。
パスポートは預けっぱなしなため、ニカラグアの出国審査も、
いったんバスから降ろされて、ポーターの方が代行してくれている
手続きをのんびり待つ。という退屈なモノ。TICAバスで旅する
時は、本やその他の退屈をしのげるアイテム持参は必須です。
再びバスに乗り込んでホンジュラスのチェックポイントへ。。
ただし、バスにパスポートチェックの係官が入ってきただけで、
あっさり、ホンジュラス入国。
手元に戻ってきたパスポートを見てみると、ホンジュラスの
スタンプはもちろん、ニカラグアの出国スタンプも無し。
ニカラグアの入国時に手にしたイミグレーションカードに
国名表記が無かったりしたのは、中米諸国共通のものだった
為か??。。。うーん、スタンプ馬鹿泣かせのシュンゲン協定と
同じようなものだねこりゃ。。ったく、それならそれでさっさと
通過させればいいのになぁ。。
ニカラグアとホンジュラス国境の川なんでコスタリカとニカラグアの間ではスタンプ押されたんだろ?
コスタリカは、ヨーロッパの中のイギリスみたいな感じで、
すこし距離を置いている感じなのかね?
ニカラグアからホンジュラスに入り、エルサルバドルに抜けてもパスポートにはニカラグア入国のスタンプのみ。。出国時に右のツーリストカードは返却。ニカラグアを出るあたりから降り始めた雨が酷くなり、分厚い雲と
中米諸国の夜が早いタイムゾーンのあわせ技で、5時過ぎには
暗くなり、窓からは何も見えなくなってしまう。。。パンクで
30分程真っ暗な山の中で停車し、ほんの少し心配になったものの
無事に午後7時過ぎ、国境の橋を渡りエルサルバドルに入国。
ホンジュラス出国時のチェックは無く、エルサルバドル側の
パスポートチェックは車内に係官が入ってすぐに終了。ただ、
そのあとのエルサルバドル側の税関検査が最後の最後で執拗で、
一人一人の手荷物バッグをあけさせ手を突っ込まれるレベルの
念が入ったもので驚く。その検査がようやく終わると、乗客も
安堵したのか、知らない乗客同士が長いバスの旅で初めて
話し始めたりし、その光景がなかなか面白い。
その後はひたすら夜道を走り、途中で揚げ物系よる御飯が配られたりし、
午後11時過ぎにようやくサンサルバドルのTICA BUSターミナルに到着。
到着するなり、ターミナルの二階のホテルに乗客のほとんどが
チェックインし、到着からものの15分でターミナルから
人気がなくなる。。
ホテルのオヤジが部屋(12ドル)をすすめてくるけど、
ホテル代を節約するより寝過ごしてしまうのが
怖いので、丁重にお断りする。ターミナルから通りに出てみるけど、
すぐ側に開いている食堂がある訳でもなく、面倒なことが起こす
リスクは避けよう。。という事ですぐに引っ込み、
iPhoneのタイマーを3時間に設定してベンチに横になる。。
復路のTICAバスの乗員さんも往路と同じ。途中ですれ違うバス
と待ち合せをし、乗員さん同士の乗り降りなんかもあるよう
だけど、少々の仮眠を挟んで40時間の通し勤務。
運転手さんは二人常務の二交代制だけど、ポーターのお兄さんは、
完全に40時間通し勤務。大変だねぇ。。
復路は、
AM0300 サンサルバドルを出発。
AM0600 エルサルバドル出国/ホンジュラス入国
エルサルバドル側チェックポイント。トラックの脇で犬が交尾してた。
エルサルバドルとホンジュラスを隔てる川。左手、西側がエルサルバドル。AM0900 ホンジュラス出国/ニカラグア入国
こちらはホンジュラスとニカラグアを隔てる川。左手、西側がホンジュラス。
昨日とは打って変わってよい天気。
で、この橋は日本の協力で架けられたらしい。PM1230 マナグア着
PM1300 マナグア発
PM1530 ニカラグア出国
断定はできないのですが、おそらく緑の芝生がホンジュラス領、
コンクリ部分からニカラグア領。 コスタリカ出国ポイントのビルに併設されたカフェ。お酒も飲めるYO!
出入国手続き
PM1630 コスタリカ入国
PM2130 サンホセ到着
と、ニカラグア/コスタリカの国境が混雑しなかったたり、
バスが停車するトラブルなどが無かったため、あっさりと到着。
入境馬鹿にはお勧めしますが、スタンプ馬鹿にはお勧めできない
なんとも馬鹿らしい40時間のバスの旅は終了。
体力の消費が少なかったのは救いだけど、ニカラグア以遠の
スタンプが押されなかったのが返す返す残念。。。