Los Angelesで別室送り
L.A.別室送りになる以前に、入国審査までの列が中々捌けない。ようやくたどりついて審査開始。例によって、審査官はモニターをガン見。判断しかねたからか、シフトのスーパーバイザーに助けを求め何やら話し始める。
彼らの会話の節々に「パキスタン」の単語が織り混ざるのは、毎度のことだけれど、今回は「ファタファ」という単語が聞こえる。聞き間違えかも知れないが、「ファタファ」だったら。なんだか中途半端だなぁ。会話が終わるとそのオフィサーに促され、他の乗客と逆の方向に向かうように支持される。今回もめでたく別室送り。
先客は、韓国人のカップルと家族が一組ずつと、フィリピン人男性。別室のレイアウトは各空港によってレイアウトがまちまちだけれど、L.A.のUA便が到着するターミナルでは、まずは大部屋のカウンターに1人1人が呼ばれインタビューする形式。学校の教室で教壇に呼びつけられ、周りの生徒の注目を浴びながらネチネチ質問される感じ。正直バツが悪い。ただ、更なる奧まった部屋までピューっと連れて行かれるようなピリピリとした感じはないのは不幸中の幸いか?
あたりを見回していると、一度入国拒否された経験のある、姫が別室に入ってくる。ナハハ。本日のUA便での別室ご招待は、日本人2名、韓国人2名(カップル/家族)、フィリピン人1名。
毎度の事ながら上から目線のインタビューで、韓国人の方々へのそれは程々だったけれど、フィリピン人男性には、端から挑発するような、誘導尋問するような酷いやり方で、
「おい、このビザはどこで買ったんだよ?」
「どんだけ、この会社に金を払ってるんだよ?」
と、立て続けに質問。
あまりの圧迫口調にフィリピン人男性が口ごもっていると、
「何でハッキリ答えない?この会社とどういった関係なんだよ。」
といった調子で捲し立てる。これは堪らない。
あとから、
「おい、このビザはどこでとったんだよ?」
と訂正していたけれど、あそこでフィリピン人男性が口ごもらずに、変な言葉を反射で発してしまったら更に上げ足をとったかもしれない。
かくいう自分の面接は至って簡単。手のひらを返すとまでは言わないが、今回の滞在理由を簡単に述べるだけで、パキスタン云々の質問は無し。
姫君が少々心配だけれど、アメリカ人男性を訪問するのに、自分が近くにいては話しがややこしくなるかも知れないし、そもそも英語がペラペラなので心配ないでしょう。小さく、またいつか!と挨拶してセカンダリーインスペクションルームを後にする。
税関申告書に、お決まりのサインがあるので荷物チェック。
審査官はラテン系の女性。きわめて友好的に仕事を進めてくれる。
が、いつもの荷物をチェックしながらのインタビューで、パキスタンの話になると、「なんであんな馬鹿な国に行く、」「パキスタンはアメリカの友人ではなく敵である」とハッキリ言う。
姫とは入国審査官の人達の、審査官以前の人間性についていろいろ話したけれど、陰惨たる気持ちになった。
さっさと審査は終わり、「Free to Go」と微笑まれても気持ちが晴れない。しっかりせいアメリカ。