カイラフン - フォヤ - コインドゥ / Kailahun - Foya - Koindu
朝方、かなりの雨音がしたので目覚めてしまう。昨日はシャワーを浴びるて横になるとあっという間に意識が無くなってしまい、パッキングやらを済ませていなかったのでまあ丁度良いか。
今日はGRはパソコンやロンプラと一緒に厳重にビニール袋に入れ、バックパックに突っ込む。防水用カメラをウエストバッグに入れ、フリータウンでプリントアウトしておいたこの辺りのGoogle Mapの地図はクリヤファイルに入れテープで留めた。これにて「雨雨降れ降れ、もっと降れ、アタシのいい人連れてこい」状態な雨期雨期モードなパッキングへの換装完了。これで100%フルパワーでリベリアに突入できるぜ。
身支度を終える頃に昨日のドライバーが迎えに来て、8時前に宿を出発し、カイラフンの雑貨屋でUSドルをレオンに両替する。因みにシェラレオネの辺境エリアでのUSドルの換算レートは
1USD=3,500
と非常にレートが悪い。元々フリータウンでレオンをATMで引き出し、それを変えたUSドルだったので、なんだか損した気分。
カイラフンからフォヤまでは約50キロ。先日のケネマ - カイラフン以上の悪路になり道も細くなるが、雨期に入りたてと言う事もあってか、今朝の大雨の水を大地が吸いきってしまったのか分からないが、ダートの道はそれほどぬかるんでおらず、バイクを降りなければならないのは、小川の丸木橋を越えるときくらい。
ひたすら走り続けると、朝靄のジャングルの中に巨大な岩山がボコボコ現れ出す。岩肌が剥き出しになって急傾斜な山は、木がへばりつく事もできないようだけど、雨でしっとり濡れたそれらの山は、なんだかアフリカが剥き出しになっている感じだ。
エチオピアで会った女性パッカーが、アフリカは移動しながら「大地の移り変わりを見ているだけで楽しい。」なんて言っていて、その時は「なに格好つけてるのよ、この子は。。」なんて思ってしまったけれど、確かにアフリカの景色の雄大さ、沿道に生きる人々が送ってくれる笑顔は、移動の辛さを補って余りあるかもしれないなぁと、バイクにしがみつきながら思う。
西アフリカには残念ながら魅力的(個人的視点から)な町は少ないし、移動の辛さはインド並かそれ以下なんだけど、トラブルやら遅れで待ちぼうけを食らわされる時こそ、アフリカ人の生な部分にも触れられる。
まあ、そうでも考え方を変えないと、ほんとに辛いだけの旅になってしまうので、キッツイ移動自体が西アフリカ旅の醍醐味なんだと思い込むようにしています。
途中、催涙弾を発射する銃やら、自動装銃をがっちり構えたシェラレオネ兵がぞろぞろと歩き、何やら緊張感漂うベウドゥ/Beuduの町(この日は選挙が行われていたからかな?)を通過する。ベウドゥ/Beuduの町の入り口と出口で友好的でフレンドリーなチェックポイントでパスポートを提示したりして、再度山道を走る事約15分。竹で建てられたイミグレーション小屋に到着。
Bueduのチェックポイントにて近くの村の人が、嘱託で任されているような印象のイミグレーションはノンビリとしているものの、キッチリと出国スタンプを押してくれる。対応は丁寧で賄賂の要求やらは一切無かった。
イミグレーションを越えると、道がどんどん細くなり、ついには人が歩いて踏み固めただけのトレックになってしまう。自動車の轍も無し。
成る程。
Beuduの町には車やトラックもあり、通過したときは、「なんだよこれならバイタクに高い金額を払わなくても、乗り合いタクシーやらで何とかなったんじゃないか?」と思ったり、「リベリアに向かうのはバイタクだけだよ。」と言っていたカイラフンのオヤジに騙されたか!なーんて疑ったけど。このルートはバイクか自転車か徒歩でしか通過できないや。途中で出入り口の着いた茅垣のような箇所もあったし。
最終的にはこんな道になってしまう。。そんな緩衝地帯をしばらく走り、初めてのリベリア側の集落。
村の入り口が簡単なチェックポイントになっており、これまた嘱託入国管理官やら嘱託税関職員なのか、ただの村人ともつかない人間に審査を受ける。ここでは入国スタンプなどがないため、Foyaの入国管理事務所に出向くように指示される。酷い賄賂請求はされなかったけれど、何か奢ってくれいやら、人の話を聞かなかったり、荷物検査をしたりと、リベリアの第一印象は悪い。
そのチェックポイントをやり過ごし、次の集落を通過するときに、これまた村の若者達が設置したようななりのチェックポイントがあり、そこでは賄賂請求と荷物チェック。このチェックポイントのリベリア人の対応は、「賄賂をよこさねーと通さねーぞこの野郎」な上から目線で、人を舐めた態度。何とか所定?の通行料をドライバーが払って解放されたけど、初めのチェックポイントと併せ、リベリアの印象が非常に悪くなり、Foyaでの滞在は止め、通過してシェラレオネに戻る事に決める。
30分ほど走るとFoyaの郊外となり、道を尋ねながらFoyaのイミグレーションオフィスに出向く。
ログブックに自分の名前を書き入れるだけの簡単な手続きなのだけど、あれやこれやと質問が多い。リベリアに入ってから道ですれ違った人達は笑顔に笑顔を返してくれるし、子供達も手を振ってくれ、リベリアの人々に対しての印象は回復どころか、いい国だなぁと思うくらいだけれど、どうも役人やその周辺の人間のレベルが低い。
自分達が効率的に動かない分、国の発展を妨げ、外国人のリベリアに対しての印象を毀損している事に気がついていない。仕事を煩雑かつスローにして、自分達の椅子を保持し、しがみついているような印象すら受ける。
まあいい。リベリアといったって辺境エリアだし、いろいろ遅れているところもあるのだろうということにしておこう。
結局、イミグレーションオフィスではああだこうだ言われながら、ログブックにいろいろ書きこまれた程度の手続きで終了。入国スタンプは押されなかった。
昼時なので、ドライバーを誘って飯でも食いながらここから先のルートを考えようということになり、フォヤの中心部に戻って食堂に入る。ここで料金も支払ってしまう。80,000レオン。
無口だけど、仕事キッチリなカイラフンのバイタクドライバー!リベリアの印象が今一歩なのと、フォヤの町がパットしないので、そのままコインドゥという、シェラレオネの一番端っこの町に向かってもらう事にする。30,000レオン。
飯を食っているとなんだか通りが騒がしくなり、様子を見ているとどうやらパレード。独立記念日か何かなのか、51周年の文字が入ったTシャツや揃いのユニフォーム姿の学生や子供らが踊ったり、声を上げたりしながら田舎道を練り歩いて行く。上手な踊り手やらグループのリーダーにお捻りが投げられたり、沿道のオバチャンが一緒に踊り出したりとなかなか面白い。音楽に合わせ、こちらも日本代表として下手くそな踊りや、東村山音頭を披露したが、お捻りは出なかったw
しばらくパレードを見物して出発。フォヤとコインドゥを結ぶルートは、道路状況は悪いものの、大型車の通行も可能なダート道。
フォヤの中心部から、リベリア側チェックポイントでの出国手続き(賄賂請求や荷物検査は無し)、シェラレオネ側でのチェックポイントの入国手続きなどを含め、所要1時間弱だった。
コインドゥの町は、バイクタクシー乗り場周辺しか見ていないが、田舎の村といった趣だった。ゲストハウスはあるようだけれど、まだ昼過ぎで時間もあるので、スルーすることに決定。ギニアのゲケドゥ/Gueckedou行きのバイクタクシーはすぐに見つかった。