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2012年9月末時点の訪問国



2012年9月末時点の訪問国

以下、248の国と地域。

アジア 32カ国 / Asia  32 Countries

アフガニスタン / Afghanistan
バングラデシュ / Bangladesh
ブータン / Bhutan
ブルネイ / Brunei
カンボジア / Cambodia
中国 / China
東チモール / East Timor
インド / India
インドネシア / Indonesia
日本 / Japan
カザフスタン / Kazakhstan
キルギスタン / Kyrgyzstan
ラオス / Laos
マレーシア / Malaysia
モルディブ / Maldives
モンゴル / Mongolia
ミャンマー / Myanmar
ネパール / Nepal
北朝鮮 / North Korea
パキスタン / Pakistan
フィリピン / Philippines
シンガポール / Singapore    
スリランカ / Sri Lanka
韓国 / South Korea
台湾 / Taiwan
タジキスタン / Tajikistan
タイ / Thailand
トルクメニスタン / Turkmenistan
ウズベキスタン / Uzbekistan
ヴェトナム / Vietnam
マカオ / Macau
香港 / Hong Kong


オセアニア 27カ国 / Australia and Pacific  27 Countries

アメリカンサモア / American Samoa
オーストラリア / Australia    
フィジー / Fiji
仏領ポリネシア / French Polynesia
グアム / Guam
キリバス / Kiribati
マーシャル諸島 / Marshall Islands
ミクロネシア連邦 / Micronesia, Federated States of
ナウル / Nauru
ニューカレドニア / New Caledonia
ニュージーランド / New Zealand
ニウエ / Niue
ノーフォーク島     / Norfolk Island
北マリアナ諸島 / Northern Mariana Islands
パラオ / Palau
パプアニューギニア / Papua New Guinea
ピトケアン島 / Pitcairn Islands
クック諸島 / Rarotonga & the Cook Islands
ソロモン諸島 / Solomon Islands
トンガ / Tonga
ツバル / Tuvalu
ヴァヌアツ / Vanuatu
サモア / Western Samoa
トケラウ / Tokelau
ウォリス・フツナ / Wallis&Futuna
ココス諸島 / Cocos Island (Keeling Islands)
クリスマス島 / Christmas Island


中東 17カ国 / the Middle East 17 Countries

バーレーン / Bahrain
キプロス / Cyprus
北キプロス / Northern Cyprus
イラン / Iran
イラク / Iraq
イスラエル / Israel
ヨルダン / Jordan
クゥエート / Kuwait
レバノン / Lebanon
オマーン / Oman
パレスチナ / Palestinian Authority:    
カタール / Qatar
サウジアラビア / Saudi Arabia
シリア / Syria
トルコ / Turkey
アラブ首長国連邦 / United Arab Emirates
イエメン / Yemen
    

ヨーロッパ 55カ国/ Europe 55 Countries 

アルバニア / Albania
アンドラ / Andorra
アルメニア / Armenia
オーストリア / Austria
アゼルバイジャン / Azerbaija
ベラルーシ / Belarus
ベルギー / Belgium
ボスニア・ヘルツェゴビナ / Bosnia and Herzegovina:    
ブルガリア / Bulgaria
ガーンジー / Guernsey
ジャージー / Jersey
クロアチア / Croatia
チェコ / Czech republic
デンマーク / Denmark
エストニア / Estonia
フェロー諸島 / Faroe Islands
フィンランド / Finland
フランス / France
グルジア / Georgia
ドイツ / Germany
ジブラルタル / Gibraltar
ギリシャ / Greece
ハンガリー / Hungary
アイスランド / Iceland
アイルランド / Ireland
イタリア / Italy
ラトビア / Latvia
リヒテンシュタイン / Liechtenstein
リトアニア / Lithuania
ルクセンブルク / Luxembourg
マケドニア / Macedonia
マルタ / Malta
マン島 / Isle of Man
モルドバ / Moldova
モナコ / Monaco
オランダ / Netherlands
ノルウェー / Norway
ポーランド / Poland
ポルトガル / Portugal
ルーマニア / Romania
ロシア / Russia
サンマリノ / San Marino
セルビア / Serbia
モンテネグロ / Montenegro
スロバキア / Slovakia
スロベニア / Slovenia
スペイン / Spain
スウェーデン / Sweden
スイス / Switzerland
ウクライナ / Ukraine
イギリス / United Kingdom
ヴァチカン / Vatican City
スヴァールバル諸島 / Svalbard
オーランド諸島 / Landskapet Åland
コソボ / Kosovo


アフリカ 60カ国/ Africa 60 Countries 

アルジェリア / Algeria
アンゴラ / Angola
ベナン / Benin
ボツワナ / Botswana
ブルキナファソ / Burkina Faso
ブルンジ / Burundi
カメルーン / Cameroon
カボベルデ / Cape Verde
中央アフリカ / Central African Republic
チャド / Chad
コモロ / Comoros
コンゴ / Congo Brazzaville
民主コンゴ / Congo Kinshasa
ジブチ / Djibouti
エジプト / Egypt
赤道ギニア / Equatorial Guinea
エリトリア /     Eritrea
エチオピア / Ethiopia
ガボン / Gabon
ガンビア / Gambia
ガーナ / Ghana
ギニアビサウ / Guinea-Bissau
ギニア / Guinee Conakry
コートジボワール / Ivory Coast
ケニヤ / Kenya
レソト / Lesotho
リベリア / Liberia
リビア / Libya    
マダガスカル / Madagascar
マラウィ / Malawi
マリ / Mali
モーリタニア / Mauritania
モーリシャス / Mauritius
マヨット / Mayotte
モロッコ / Morocco
モザンビーク / Mozambique
ナミビア / Namibia
ニジェール / Niger
ナイジェリア / Nigeria
レユニオン / Reunion
ルワンダ / Rwanda    
サントメプリンシペ / Sao Tome and Principe
セネガル / Senegal
セイシェル / Seychelles
シェラレオネ / Sierra Leone
ソマリア(ソマリランド) / Somalia Somaliland
南アフリカ / South Africa
スーダン / Sudan
スワジランド / Swaziland
タンザニア / Tanzania
トーゴ / Togo
チュニジア / Tunisia
ウガンダ / Uganda
西サハラ / Western Sahara
ザンビア / Zambia    
ジンバブエ / Zimbabwe
セウタ / Ceuta
メリラ / Melilla
南スーダン / South Sudan
セントヘレナ・アセンションおよびトリスタン・ダ・クーニャ / Saint Helena, Ascension and Tristan da Cunha)


北米  4カ国  / North America 4 Countries 

グリーンランド     / Greenland
カナダ / Canada    
サンピエール・ミクロン / Saint-Pierre-et-Miquelon    
アメリカ / United States


中米およびカリブ海 39カ国/ Central America and the Caribbeans 39 Countries 

アンギラ / Anguilla
アンティグア&バブーダ / Antigua and Barbuda:    
アルバ / Aruba        
バルバドス / Barbados    
バハマ / Bahamas        
ベリーズ / Belize    
バミューダ / Bermuda    
英ヴァージン諸島 / British Virgin Islands    
ケイマン諸島 / Cayman Islands        
コスタリカ / Costa Rica    
キューバ / Cuba        
ドミニカ / Dominica
ドミニカ共和国 / Dominican Republic        
エルサルバドル / El Salvador    
仏グアドロープ / Guadeloupe        
グァテマラ / Guatemala    
グレナダ / Grenada        
ハイチ / Haiti    
ホンジュラス / Honduras        
ジャマイカ / Jamaica    
仏マルティニク / Martinique        
仏サン・マルタン / Saint Martin
仏サン・バルテルミー / Territoriale Saint Barthélemy
メキシコ / Mexico    
モントセラト / Monserrat        
蘭サバ / Saba
蘭シントユータシウス島 / Sint Eustatius
蘭ボネール島 / Bonaire
蘭クラサオ / Curacao
蘭シント・マールテン / Sint Maarten
ニカラグア / Nicaragua:        
パナマ / Panama
プエルトリコ / Puerto Rico        
セントキッツ&ネービス / Saint Kitts and Nevis    
セントルシア / Saint Lucia        
セントビンセント&グレナディーン / Saint Vincent and the Grenadine
ターコス&カイコス / Turks and Caicos Islands:        
トリニダード&トバゴ / Trinidad and Tobago    
米ヴァージン諸島 / Virgin Islands    


南米 14カ国 / South America 14 Countries

アルゼンチン / Argentina
ボリビア / Bolivia
ブラジル / Brazil        
チリ / Chile    
コロンビア / Colombia
エクアドル / Ecuador
フォークランド マルビナス諸島 / Falkland Malvinas    
仏ギアナ / French Guiana
ガイアナ / Guyana
パラグアイ / Paraguay
ペルー /     Peru
スリナム / Suriname
ウルグアイ / Uruguay
ヴェネズエラ / Venezuela    

画像はworld66より → リンク

レプティスマグナ遺跡 / Leptis Magna Ruins

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レプティスマグナ遺跡 / Leptis Magna Ruins

サブラータを早めに出立し、トリポリに戻って宿を確保。荷物をベッドに放り投げ、身軽な出で立ちとなって乗り合いタクシーでホムスの町に向かう。1時間ちょいで辿り着いたホムスで、今度は乗り合いバスに乗り換えて数分、ホムス郊外の海岸に広がるレプティスマグナ遺跡に辿り着く。

リビア沿岸部は、真ん中がへこんだ鞍部のような形をしている。

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そのへこんだ鞍部がシルト湾。その湾の西が、トリポリを中心としたトリポリタニア地方、湾の東が、ベンガジを中心としたセレイナイカ地方に分類でき、文化的にも歴史的にも成り立ちを異にしている。

ざっくり分類すると、西のトリポリタニアにある遺跡はローマの影響が色濃く、東のセレイナイカ地方の遺跡は、ギリシャの影響が濃い。

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地中海をざっと見渡す地図があれば一目瞭然なのだけど、トリポリタニアはイタリア半島とシシリー島を介して繋がっており、セレイナイカとギリシャの間にはクレタ島がある。

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地中海を瀬戸内海に見立てると、ローマとトリポリタニアのつながりは、広島県と愛媛県、ギリシャとセレイナイカのつながりは、岡山県と香川県といったところかな。

この遺跡の見所は何と言っても円形闘技場。

ここまで辿り着いたら、是非、観客席に見下ろされる闘技場まで下り、剣闘士になった気分で目を閉じてく見ましょう。。

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聞こえますか?

「殺せ!」「やっちまえ!」「噛み殺せ!」

投げつけられる観客の声が。。。。

感じますか?

向かい合う奴隷の剣闘士の鼓動を、猛獣の息づかいを。。。




サブラータ / Sabratha

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サブラータ / Sabratha

トリポリのマハッタチュニスBus Stationから約1時間程走り、乗り合いタクシーが止まったのは、庁舎風の建物に囲まれた広場のはずれのモスク前。礼拝の時間と重なったため、モスク前は賑わっているが、真昼の広場に人影はなく、コンクリートが真昼の日差しを跳ね返している。

擱座した戦車や、空爆されたと覚しき無惨に鉄筋を晒した建物などをトリポリからの道中で見かけたけれど、サブラータの中心をなす官庁街は、目に見えて手ひどく打撃を受けている。人影がないのは金曜日だからではなく、破壊され、機能停止していることも大きそうだ。

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リビア実質一日目で、目にしたものは限られるけれど、内戦の傷跡は、無惨に崩れ落ちている兵舎や軍事施設らしき建物や庁舎などが中心で、無差別に住宅地が辺り一帯瓦礫化したような場所は見かけなかった。凄惨な市街戦が繰り広げられているシリアと違い、NATO主導の空爆で、一気に片がつくような戦いだったのだろうか。

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市中の商店や食堂は閉じていたシャッターを上げ、営業を再開しました。といった様子で、内戦中の混乱も過ぎたのかモノは溢れている。町を歩いていて革命や内戦があった事を感じさせるのは、革命の成就を祝うスローガンや絵が描かれた壁、内線で命を落とした男達の肖像など。。

けれど、どうも新生リビアが順調に歩みを始め、革命の熱気をまとって新国家が着々と建設されてゆく。。。という息吹は感じられない。どうも熱が冷めてしまったように映るんだよなぁ。

そういったどうした!という気持ちを増幅させるのは、街道沿いや町の至る所に散乱する信じ難い量のゴミ。ここまで書いて安直な物言いなのだけれど、一気に覚めさせられてしまう。それくらいリビアは汚れてしまっている。

多かれ少なかれ、アラブの町ではゴミをポイ捨てし、それを翌朝までにゴミ屋が掃除回収するスタイル。そういったシステムが日本人の感覚とそぐわない。。。を加味しても、酷い。

革命前のリビアも同じような景色だったかもしれないし。ようやく新生リビアが動きだし、端緒を開いたばかりで、こういった社会インフラの回復は、その途上にあるのかもしれない。でも、見た目はアウトだ。これじゃあ、ゴミ箱を蹴っ飛ばしてひっくり返しただけの革命だよ。しっかりしろ新生リビア。

なんて感じながら、サブラータのユースホステルを目指す。

コミュニケーションがうまく行かない上、傲岸不遜の固まりとなったタクシードライバーとのやり取りは大変だったけれど、なんとかユースホステルにたどり着く。地球の歩き方に「リビアで最高の」と謳われたサブラータのユースホステルは、ドミトリーの棟を改装中だったり、そもそもお客さんが訪れないという根本的な問題を抱えているとはいえ、いろんな物が麻痺したままの、新リビアを象徴しているような宿だった。

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最終的には宿のベッドでぐっすり寝て、無事に朝日が昇って来たのだから宿のグダグダな箇所をあげつらうつもりは無い。けれど、復興支援の意味をこめ、リビアをどんどん観光しましょう!なんて旗を振れる状態ではないなぁ。というのが心からの実感。

ひょんな事から、この町在住の、バンカーと航空機技師(ATR-42/72のスペシャリスト)。所謂、カダフィー政権下時代からのエリートと話す機会があったけれど、周辺の見所やサブラータの治安の良さ云々といった通り一遍の話しかできなかった。

サブラータ遺跡 / Sabratha Ruins

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サブラータ遺跡 / Sabratha Ruins

ある山陰のローカル線に揺られていた旅人が、とある駅で、おばちゃん達のおしゃべりで微睡みを破られる。

おばちゃん達は、どうやら運転手に何かを尋ねている様子だ。

「だからぁ、運転手さん。世界遺産があるのは、この駅なんでですかって聴いてるの。」

。。。。。

こういった手合いは、家で煎餅でも食って韓流ドラマでも見て、屁でも放ってればいいんだよ。。とその旅人は僕に語ってくれた。が、まあ笑えない話だ。

この滑稽なやり取りの中には、世界遺産のあり方や実情を象徴していると同時に、観光や旅とは何ぞやと考える以前に、心に留めておくべき何かが詰まっている。。。いるような気がする。

その一つは、世界遺産に指定される事で、好むと好まざるとに関わらず、想定外の阿呆や、思考停止した連中を間違いなく引寄せるという現実で、自分のよう阿呆が本日、今まさにこのサブラータ遺跡にノコノコとやって来ている状況だ。

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この阿呆は本当に質が悪く、ローマ時代の地中海世界に関しての知識はゼロに等しいにも関わらず、一端の旅人気取りをしているため、町が汚いだの、タクシードライバーが傲岸不遜だの、平気の平左で宣い、サブラータの与り知らないところ、遺跡の歴史的意義とは何の関わりもない重箱の隅を突ついていい気になったりする。

輪をかけて救い難いのは、この阿呆が高慢にもそれをネットの旅行記やFBにアップしたりすることだ。阿呆一人には、微塵の価値もないのに。もう悪癖というか疾患と呼んで差し支えない。ほとんどビョーキだ。

らら、

なんかこの期に及んで自分をディスるのも疲れるなぁ。

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トイレ

人類が後世に残すべき遺産に指定されるのは、同時に有象無象を招き入れる旗を立てることにもなり、相応な覚悟が必要かと思う。また、訪れる側は訪れる側で、「世界遺産」という印にただ引寄せられるだけでは、恥をさらす事にもなるよっていうことが言いたい主旨だ。

が、かくいう自分は、スタンプラリーを続け、貴重な時間と資源を数年に渡って浪費して来た正真正銘の阿呆なんだよなぁ。。。

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と、ローマ人が使用したという公衆便所の便座に腰掛け、意味を結ばない愚痴を、クドクドと頭の中でこねくるのでした。

トリポリ / Tripoli

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トリポリ / Tripoli

調子の良い運ちゃんの怪しい運転で、目当てのユースホステルにたどり着くが、どうやら半閉鎖状態の様子。

ユースが入っているビルの住人のゼスチュアを直訳すると。。。

「やってねぇ」

ぬぅ。

タクシーがビューッと走り去って、一人残された辿り着いたエリアはそれなりに明かりがあって、禍々しい空気は感じられない。けれど、見知らぬ町に夜に宿も確保せずにログインするのは、旅人として下策中の下策だ。ひとつも学ばず、一つも成長せずに最後の国巡りをしてるなぁ。

危険な情報やニュースしか届く事の無いリビアのような注意喚起国で、万が一厄介ごとに巻き込まれると、日本での扱いが戦時中にアメリカの捕虜になった日本兵状態になるのが悲しいところ。一族郎党、まとめて恥辱プレイを受ける事になる。猛烈な拘束力といえる。やだねぇ。。

ユースが入っているビルのトルコ料理屋に入り、まずはジュースを一杯あおる。

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トルコ料理屋のテーブルで、ピザが焼けるのを待ちながら、カダフィー政権時代に編集された、「地球の歩き方」の地図をチェックし、現在位置を再確認すると、安宿や中級宿が集まっているエリアまでちょっと距離がある。が、仕方が無い。行こう。

手持ちの武器は、トルコ料理屋で焼いてもらった熱々のピザのみ。暴漢に襲われたら、このピザを手裏剣のように、ビュビュビュと飛ばし。。。なんて考えているうちに、小綺麗なホテルが見つかる。

尋ねると120リビアディナール。ぬぅ、人心地つきたいところだけれど、7,000円ちょい。ううん。。予算オーバーだな。もう少し頑張ろう。

。。結局、ユースとトルコ料理屋のビルから3ブロック位、小綺麗なホテルから1ブロックの場所に、設備は今一歩だけれど、45リビアディナールと、予算内の宿が見つかり一安心。ザックを降ろし、ピザの紙箱を開けるとまだまだピザは暖かい。

ふぅ、まずは第一関門クリア。シャワーを浴びて寝る。

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朝。

思いのほか、涼しい。

浴室の窓を開けると、トリポリの町並みが広がっている。大通りからそれた安ホテルなので、見晴らしは今一歩。埃をかぶった凸凹の中小のビルが続き、ガイドブックに載っていたホテルも遠望できる。おお、リビアに着いたなぁ。

「無秩序」という程ではないが、「整然と」といった言葉からもほど遠い景色だ。所々、がっつり崩れた区画があったり、そこかしこに情け容赦なく捨てられたゴミが気にかかる。

荷物をレセプションに預け、出発。

金曜日という事もあって、朝から開いている店はカフェくらい。人通りも少なく、特に目を引く事もなく広場に出てしまう。あ、旧緑の広場、現殉教者の広場だ。ここで、大騒ぎしてたカダフィー支持者達は今、どうしているのだろう。。

カメラを構えている後ろから、チョイチョイと肩を叩かれるのは興覚めなので、やる気のなさそうな警官に写真を撮るゼスチュアを送り、オゲ!をもらってからパシャリとやる。

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ぐっと胸に迫る物は無いが、なかなか通じない英語や、至る所にはためく赤黒緑の新国旗、壁に書かれたスローガン。銃弾で穴ぼこだらけになったビルを見るにつけ、トリポリ/新リビアにやって来たことを実感。

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銃器の返却を促すポスター

日差しが強くなり、町歩きもしんどくなって来たので、乗り合いタクシーでサブラータに移動する事にする。




TN 305 TUN-TIP

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TN 305 TUN-TIP

入国許可書が発行されても、トリポリ行きのフライトが確保できない以上、5日間くらいはチュニスかチュニジア国内で過ごさねばならない。

5日間か。チュニスを出るか。

ガイドブックを持っていなかったけれど、チュニジアは南部の砂漠地帯が見所だったよなぁと、ネットサーフすると悪くない。悪くないと言うより、辿り着いた旅行記ホームページが素晴らしく、引寄せられる。

うまくいかないあれやこれやに苛立ち、ささくれ立ち、阿修羅のごとく憤怒していた気持ちが、旅行記のページをたどっているうちに穏やかになってゆく。菩薩な気持ちになる。

旅心が折れずにあと一歩のところまで来れたことは、前を行く先達の旅行者が綴った旅行記に癒され勇気づけられ、「俺もそこに行きたい、見てみたい」という気持ち、溢れてくるものが涸れなかったからだなぁ、なんて思う。気鬱の虫が時々蠢く自分のブログは、旅人の前へ進む気持ちを後押しできているのかな?

さて、チュニス名物のクレープでも食うか。なんだそりゃ。

メールで本日中に添付されてくるはずの入国許可証が、午後になっても届かないのが気にかかるが、仕方がない。催促のメールだけ出し、のんびりできそうなカフェで南チュニジア作戦を立てるか。。。と思いながら歩いていると、通りにエジプトでも見かけた看板。リビア航空のオフィス。

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空席確認がてらオフィスにお邪魔する。カウンターの女性も素晴らしく美しい。トリポリへの直行便はいつから空席が出るのか尋ねると、

「今日この時間での予約は厳しいけれど、明日の朝ならば。」

との返事。りょ? 朝は10/2まで直行便は取れないといなされてから数時間もたっていない。にわかに信じ難く、聞き直すと。

「満席に近いけど、数席余裕がありますよ。」

ときわめて前向きな対応。

「そうですか、じゃ、お願いします。ネットでチェックしたら満席だったので、明日飛べるなんて、びっくりしちゃって云々。。。でも、なんでこの時期はこんなに混雑するの?」

「夏休みが終わって、皆学校に帰るシーズンなんです。」

ら?

なるほど、情勢が怪しくなって入国に制限が出ているのかと思いこんでいたけれど杞憂だったようだ。よく考えれば、リビア行きのフライトが満席続きで、チャーター便を飛ばす程ってのは、情勢の良し悪しで考えればむしろプラスじゃないか。お姉さんがビザの有無を尋ねてきたので、

「入国許可は昨日出て、レターは本日中に準備できる。」

と伝える。

「あ、それはだめ、レターの現物を見ないと予約をお作りする事はできません。。」

なんて、野暮な事は言わない。

さささとパスポート情報を入力し、予約を作ってくれる。

「明日の朝のフライトには間に合わないので、夜1915発のフライトで予約を作りました。税込みで、TND210(約10,500円)。昼頃までに、料金とパスポート。ビザか入国許可のレターを持って、ここに来て頂戴。空港には5時までに到着している事。」

手をビットビトにしてクレープを頬張るはずの昼下がりが、一転。大きくリビア入りの前進となった。

町を散策した後、ネット屋でチェックした時にメールは届いていなかったけれど、安宿に戻ってパソコンをひらいた途端にメールが届き、

Please find attached your Libyan Business Visa Approval. The approval is in Arabic and lists your passport number as it is in your passport.

という内容が書かれたメール。「Business Visa Approval」らしき(アラビア語が読めないため)Pdfファイルがばっちり添付されている。

よし。明日の夜にはリビアに行けそうだ。

そして翌日。ネット屋で「Business Visa Approval」をコピーし、リビア航空のオフィスに向かう。既にビザを持っているか、ビザ無しの旅行者を扱う事が多いからか、最終的な発券まで時間がかかったが。。

それでも10分程で、発券。

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夜の7時のフライトなのだけれど、気が急いてしまい早めに空港入りしてしまう。最後の最後でちゃぶ台返しされるなんてことには慣れっこだけれど、チェックインも無事に済み、ボーディングパスも無事発行。

ゲート前で、出発を待つ乗客はアラブ系のみ。

国際線であれば、アフリカの田舎路線だって、たいていは南アジア人や出張民工系東アジア人、コンサル金融系欧州人が必ず何人か混ざるものなのだけど、自分以外に一人もいない。ゼロ。異邦人は私だけ。

ただ、搭乗時の緊張感はない。見るからにコワモテのパシュトゥーン人の男達に囲まれたカブール行きなんかと比べれば、やんちゃ坊主が駆け回って、その平和さが鬱陶しいくらいだ。知らない町、それもトリポリで夜中の到着になるのは気にかかるが、まあこの客層なら何とかなるだろう。

搭乗前のパスポートチェックも無事にパスし、ボーディングブリッジに向かうと、黒服の明らかに安全保安要員といった、目つきが鋭く大柄な男がドア前に立っており、ほんの少しだけ剣呑な空気。まあ大丈夫、守っておくんなさいね。そんな黒服より、ボーディングブリッジの窓からちらりと見えたコクピット内部が気になる。

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進行方向、左手の座席の機長席で出発前の確認なんかを行っているのが、どう見ても女性だ。

アラブの女性の社会進出が、欧州などに比べて遅れており、自動車の運転すら許されていない国もあるというのはお馴染みだけれど、A320クラス以上の機材で女性が機長と言うのは、ここがヨーロッパでもアメリカでも珍しく、驚いた。

これくらいの機材の機長となると、パイロットとしての相応の飛行時間が要求され、彼女は長いキャリアがあるはず。もし彼女がリビア人でこのリビア航空で勤務していたのなら、当然カダフィー政権下でもパイロットとしての経験を積んできたであろうし、ステップアップが可能な社会であった証明ともいえる。

リビアビザの発給を待ちながら旅している事をエジプト人やチュニジア人に話すと、カダフィーを一方的に悪とするより、ばらまき型独裁の恩恵や、それなりの統治が行き渡っていたのも事実で、追いやるにしても、あの「鳥をしめる」ような殺し方は無いよ。。という語る人も何人かいた。

そんなことを思い出す。新リビアはどのように自分の目に映るのだろう。

さて、機内はほぼ満席で、独り身の自分に「席を交換していただけますか」と客室乗務員氏にお願いされる程。

エコノミークラスのみのモノクラスで、コクピット後ろのギャレーには、「Jet2Go」のカートが収まっており、欧州の格安航空会社からお下がりで購入した機材かもしれない。

フライトは一時間ちょい。機内食のサーブはなく、お菓子とコーヒーが配られただけ。格安航空会社のお古機材?と言う事もあってかモニターなんかもついておらず、機内では本を読んで過ごした。

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女性機長の「間もなくトリポリ国際空港です。。」のアナウンスの後しばらくして、窓の外に灯火がポツポツと現れ、それが近づいて着陸。パチパチパチと拍手が上がる。自分も負けずにパチパチ。

飛行機をようとすると、女性機長さんが「Welcome to Libya」と笑顔。

ボーディングブリッジは壊れているようでターミナルに付属したスポットへの到着になるが、タラップがつけられ、もう一度階段を上って入国審査上に向かう。

外国人用のカウンターに向かうと、

「あちらでビザをもらって来い」

と言われ、審査場奥のブースでパスポートとビジネスビザの許可証を渡す。リビアのビジネスビザは受け入れ先の会社が各自のレターヘッドなどで申請した内容を、関係機関が承認し、その機関のスタンプとサインが入ったコピーを入国審査場でがファイルし、同じコピーを持参した旅行者にビザを発給するというもの。



カウンターの窓越しに作業を見守る事数分。SIEMENSやら、某国石油メージャーのレターヘッドと一緒に挟まれた、自分が持参した許可証と同じレターが見つかり、103リビアディナール(6,000円ちょい)を支払って、ビザ発給!そして外国人用のカウンターに戻ってスタンプポン!

空港機能が麻痺しているのか、急ごしらえの大型テント/プレハブのようなBaggage Claimを通って空港の到着ホールに出る。リビアだ。

これで、自分が国や地域だと思い込んでいる248カ国のすべてに足を踏み入れた事になる。

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到着ホールのドアを開けたら、宝箱なんぞはなく、手すりに体を預け誰かを待つひげ面のオヤジや、生意気そうな兄ちゃんがズワーっと並んでいるばかり。声をかけてくれるのは、タクシーの客引きだけで、期待していた世界中の美女に囲まれ、キスの嵐。。。は無かった。

少し電池が残っているiPhoneをチェックすると、空港の無線LANは快調のようで、FBのチェックインではトリポリ空港がバッチリ出てくる。何か書いてみよう。せっかくだから。。と思うが、どうも心から湧き出てこない。無理に感慨深く語っても仕方がないので、足跡を残さずに、電源を落とす。

夜も遅いので、トリポリ市内まではタクシー。25リビアディナール。




チュニス / Tunis

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チュニス / Tunis

歩いているうちに、朧げになっていたチュニスの地理感覚が蘇る。港近くのバスターミナルから、ここがデモ隊が警官に追いかけられてた通り、でそのデモ隊がぶん殴られて連れ去られたカフェ、お、ここを曲がると赤線なんだよねー。なんて思い返しながら歩く。旧市街のスークを抜けてユースホステルへ。

お客はいるものの、前回来た時と違ってユースはなんとなく閑散としている。旧市街/メディナの中にあり、内庭を囲うようなメディナの建築スタイル。青のタイルがかわいく趣があり、内庭がゆったりしているからか、地元の人たちのパーティーに使われたりで、活気があったんだけどな。夏バテ気味かな?

そういった表情を一度見せてしまうと、シャワーに鍵がかからなかったり、トイレに便座が無くなっていたり、夜番のオヤジが呼び鈴に無反応だったり、オッサンのいびきがきつかったり。そいういった諸々のことが気にかかり、衰退が始まってしまった宿といった印象を強抱いてしまう。宿の端々に傷口が見え、それが広がってゆくのを眺めてる気分だ。

ま、その辺りを加味しても十分安いので、文句も言わずに泊まるけど。

ご存知の通り、チュニジアは、アラブの中では頭一つ飛び出した世俗的イスラーム主義をとっている。一言で言うと開放的。道を渡ろうとすると、まず車が停車し、「どうぞ」というゼスチュアが車内から送られる。エジプトだと、何も言わずにひかれる。そして、渡った道の先のカフェはフランス語表記のパラソルが開き、女性達がパニーニやジェラート、クレープといった南欧の食べ物を囲んでいる。二言で言うと開放的で華やかかな?そういえば、女性の警官も見かける。

革命直後に訪れたチュニスより、その華やぎが更に色鮮やかになったような印象を受け、「チュニジアの女性って、こんなに髪出して、こんな服装だったけなぁ?」なんて思いながら歩く。エジプトから直接飛んできたから、そういった女性に目がいってしまい印象が強まるのだろうか?

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宿でメールをチェックしても、未だにリビア入国の件が代理店から入らないのに業を煮やし、午後の散策に出る前、行間に「あんま舐めんなよ」という気持ちを滲ませたメールを一発いれたのだけれど、ようやく深夜に回答。

Dear Hakobiya

Thank you for your email.

We have received confirmation that your visa has been approved today.

We will receive the copy tomorrow, and we will send it to you tomorrow (that is today).

Please accept our apology for the delay, needlessly to say due to the recent events in Libya.

Regarding the passport translation, as we have confirmed in the website it has been abolished since 2010 (by Gaddafi's government), and it is not required.

The embassy staff probably are not aware of this. If it makes you feel safer or if the airliner insist on it, then you can contact the Chamber of Commerce (if any in Cairo) or any other translation office and get the bio page translated. There is no need to visit the embassy at all.

Once again apology for the delay and will be in touch later on the day.

Kind regards

ふう、やっとだ。やっとトリポれる。

遅くとも明日の午後にはアプルーバルをプリントアウトして準備、明後日のフライトで。。なんて思い航空会社のサイトをチェックする。

数分後。。。。。。。。。。。ら?

これは、航空会社のシステムダウンかなんかだよね。。。と言い聞かせ、サイトで見た事に気がつかなかった振りをし、ベッドに直行。ふて寝。

翌日、

朝市でチュニスの旅行代理店に顔を出し、トリポリ行きの空席状況を尋ね、セクスィーなお姉さんに端末をたたいてもらう。お姉さんの顔がみるみるうちに曇り。

「コンプリート」

だか、それに近い発音のフランス語で、「満席!9月は空席が一席もない!」との回答。

うーん。カイロ発が怪しくなり、トリポリ行きの航空券が取れそうなのでチュニスに飛んできたのに、ここ数日。いやこの12時間くらいで、チュニス発の状況も一変し、カイロと同じになってしまった。

リビアの国内情勢がご存知の通りあまり芳しくなく、入国時のチェックや、ビザの規定が厳格化されたりして、陸路での入国が厳しくなったと、現在の状況を推察する。仕方ない、「空港にいってみたほうが良さそうね」という、旅行代理店のお姉さんのサジェスチョンに従って、まずは空港。そこで様子見して次の手を打つことにしよう。

ぬう、リビアが手に届く距離にある事も手伝って、もどかしさが募る。トリポリは203高地かよ。。

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けれど、もどかしさに声を荒げれば荒げる程、リビアの入国は一筋縄にいかないぜ!とアピールしているような感じになるなぁ。。でも、きっちり準備してもリビア入りは難しいのか?そうでないのか?と問われれば、入国のプロセスは、難しくないと思うのが正直なところなんだよなぁ。

現在の自分は、食べ終わって自分が捨てたバナナの皮で滑っているような状況。リビアまでの道が過酷というより、おざなりな準備と場当たり的進行の積み重ねが、阿呆系マッチポンプ状態を招いてるかと思います。なんだかネタにしているようで恥ずかしい。リビアに入るのが大変だ大変だPRをするつもりはないのに。。。

年末にリビアに行きたい!と思った人、心に決めた人が、10月に現地の旅行代理店とコンタクトを始めるなら何の問題もなく、ニューイヤーをトリポリで祝えることができるはず。

時間的余裕(2ヶ月くらい)、旅行代理店とのコミュニケーションをきっちりとっていれば、こういった事態を招く事はないかと思う。無事に旅が終わったら、ビザ取得、入国までのプロセスや流れを改めてアップデートします。

さて、もう一度ネットのチェックでも。。。


MS 843 CAI-TUN

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MS 843 CAI-TUN

左側の窓際に座ったけれど、離陸して巡航した頃にようやく目が覚める。窓の外を見下ろすと、ナイルデルタの端っこの、ここから先は砂漠ですよな景色。デルタの際までは畳みを敷くような畑が広がり、砂漠との間に、地下水かナイルの水を汲み上げ、散布機で潤す、アメリカなんかではお馴染みの円形の畑が続き、デルタを縁取っているようだった、

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食事前に、鼻にまとわりつくような芳醇な臭いがするので、

「ぬぬ、やるじゃないかエジプト航空。エコノミークラスでもパンを暖めてくれるのか。」

と思ったら、おかしな事にパンは袋入り。暖かいミールは出てきたけれど、この臭じゃないよなぁ、と思ったら。正解は通路を挟んだ向こうのお兄さん。

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シートをめでたく3席独占し、がっつり横になってスゥイートドゥリーム状態のお兄さんの足が、自分の方に向いている。なるほど、ここが爆心地か。

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無事に到着した物の、機内で少し待たされ、そのうちに隣のゲートにカタール航空が到着してしまう。あらら、これは入国審査が長引くな。とおもったら、ここはチュニジア。入国審査上に人が多くなるにあわせ、審査官がブースに次々と入り、さっさと捌いてくれる。

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空港は思いのほか混雑しており、ここから先の航空券をチェックしがてらまわってみた出発階などは、カフェもその辺のベンチもすべて埋まり、賑やか。ヨーロッパや日本と変わらぬような身なりをした女性が多くなり、賑やかさに艶やかさも加わる。


待てど海路の日和悪し / Long distance from Cairo to….

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待てど海路の日和悪し / Long distance from Cairo to….

空港にやってきたものの、チュニス行きの本日のフライトをミスってしまった上、代替案を練ろうにも空港の無線LANが繋がらない。こういうのは、エジプトでは毎度の事なので身構えはできているけれど、ターミナルを移って、「Free WiFi」の表記があるカフェで繋がらないと、さすがに萎える。本来はお客さんに料理や飲み物をサーブするウェイターさんにネットの件やらは尋ねたくないので、恐縮気味に尋ねると、「繋がらない。プロブレム」とあっさり。けんもほろろ。

ま、そのあたりも想定内。ため息ついちゃうけど。。

それならば、じっくりねっとり根性でカイロでリビア行きの入国許可証をもうしばらく待とうと思うと考え、腹を据え、エジプト航空やアフリキーヤ航空で、トリポリ行きの航空券のお値段を尋ねる。

が、9月中のカイロ発のトリポリはおろか、ベンガジ行きも含め、どの便も満席、もしくはビジネスクラス(片道6万円くらい)のみしか空いていないとのこと。なるほど、それでネットで調べた時の航空券が異様に高かったんだな。

リビア行きの旺盛な需要は、ある意味リビアの情勢がニュースに出てくる程きつくない事を示唆しているようにもとれるけれど、カイロからリビアへ直接乗り入れる作戦は、断念せざるを得ない。空港に来たからこそ、手に入った情報ともいえるけれど、リビア入国の困難さに裏ドラが乗った感じ。ということで、あっさり前言撤回。カイロとはおさらばします。

事がスムーズに運ぶ事など、もとより期待していないが、こういったどん詰まりの状況になると、テンション下がる。

こういう時は、分厚い財布にモノを言わせ、チャチャチャと事をすすめ、前進したいのだけれど、やっぱりネットが繋がらない事には、情報が仕入れられず、メールも確認できない状況では、前に進む歩幅も小さくなってしまう。多少の金はかかっても構わないから、手持ちの携帯で情報収集したくなるのだけど、海外での使用は罷りならないんだよなぁ、自分のiPhone。

ふぅ、今回のリビア攻略でつくづく感じるのは、勢いや不退転不撓の決意も大事だけれど、周到な準備があってこそ事を成せるってこと。最後の最後と言う事もあって、何かシリーズ物のカードをすべて揃えるため、コンプリートするため、最後で足踏みするのは覚悟の上だったけれど、もっと何かあったはずだなぁ。。とつくづく感じた。

リビアの土、いや砂を踏むまで、日本に帰るつもりはないので、「いやぁ、リビアだけがどうにもならなくてさ。。」と、日本に帰って言い訳することはないけれど、無為に過ぎてゆく時間で身を削られるような気分になる。いや、運動不足で体重は増えたか。

削られたのは精神力、精神のスタミナだ。

よし、チュニスでパニーニでも食って心と体をリフレッシュさせよう。


アブシンベル / Abu Sinbel

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アブシンベル / Abu Sinbel

国巡りに重きを置く旅を続けているうちに、旅のスタイルは、高速忙しない系になっていたけれど、今回のエジプト旅は、ビザ取りが滞っている事に加え、暑さにやられぇーの、ゆっくり怠惰系。そういえば、すれ違う旅行者への挨拶が「お先に!」でなく「いってらっしゃい!」と、送り出す側になってる。

アスワンに来るのは予定外だったのだけれど、せっかくアスワンに来たんだから。アブシンベルの神殿を拝んでやろう。。。となる。

神殿内部の、レリーフは躍動的で、所々彩色が残っておりなかなか。

でも、拝んだ。奇麗だった。。以上の感動はなかったなぁ。

観光客の大半を占めるヨーロッパ人は、レリーフに時々刻まれて残っている、19世紀の欧州探検隊の落書き、いや落彫りなんかから、冒険譚を脳内で読み返したり、地中海の向こう、程度である文化や民族的な親近感なんかでつながる事ができるのだろうけど。

アジアのはずれ、それも東村山なんていう山奥からのこのこ現れたオッサンの想像の翼は、このヌビアの地には及ばなかった。翼の航続距離は中央アジアや、東南アジア辺りまでなんだよなぁ。。

ルクソールで参加した、

「西岸遺跡巡りツアー」のお値段は65エジプトポンド。

今回のアスワンから参加したツアーは、ハイダムなんかも見物できる、

「アブシンベルツアー/ロング」というもので、85エジプトポンド。

観光が一大産業として発達し、世界中の人が訪れてきただけあって、エジプトの観光地は、パッケージツアーなど、いろんな物が出来上がっており、お値段も手頃。駅前でワラワラと寄ってくる怪しい輩をいなし、きちっと宿にたどり着きさえすれば、宿のフロントでツアーをアレンジしてくれ、お気軽だ。何の問題もない。

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けれど、なんかモヤモヤするんだよなぁ。

価格競争にさらされ、万人ウケが求められる団体旅行や現地発着のツアーなんてのは、平板で抑揚がなくなり、よほどのものでない限り

☆ もともと興味がある人の好奇心を満たさず、
☆ 興味がない人の目を、そのツアーが開いたりすることもない。

そんなシロモノになるかと思う。

思考を停止していても全く差し支えない。ツアーは始まり、終わる。

それでいいのだ!ならば文句は言わないけれど、能動的、積極的に自らが参加するイベント、自分の意志で向かう土地や町。金銭的な苦労より、肉体的な苦労を経て辿り着いた先に広がる景色。そういったモノの方が、マッチポンプ臭が漂ったとしても、残る物は大きいと思う。

思考停止、「お任せ」の比重を大きくするだけ、旅は自分の物でなくなり、人生で思考停止する時間を。。。

あらら、団体行動ができない糞野郎の戯れ言、貧乏人の遠吠えみたいなアップデートになってしまった。

夜中にパソコンに向かっているうちに、旅馬鹿なりの意見表明したくなってしまった。多分、ミイラの呪いか、リビア行きの準備がおざなりだったが故、エジプト滞留が延び、しびれを切らしてるんです。

許してやってください。 寝ます!  ぐほっ。

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