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世界のごちそう 旅×レシピ



世界のごちそう 旅×レシピ

旅に出る、帰ってくる。また旅に出る、また帰ってくる。またまた旅に出る、またまた帰ってくる。

そんなことを繰り返した30代を経て、現在40ちょいオーバー。半生とは言わずとも、1/4生くらいに迫る長い期間、ブログにここ10年に起きた色々を書き連ね今に至っています。

そして、もちろん考えます。旅に出て良かったのか?なんで僕は旅に出たのか?そして、なんでブログなんて書いているのか?

旅に出た理由は30前後の仕事でどハマりしてへとへとになったこと、ブログを書いているのは、根無し草な状況の不安や退屈さを、自己顕示欲に変えて放出でもしない限りやってられなかったから。まあそんなところだと思う。

だから、旅に出るまできっちり準備し、全身全霊をかけて旅をした人、きっちりと「旅」を終わらせられる人を老若男女問わず尊敬します。そして時々嫉妬します。ぼくはたただた移動してスタンプ押されてガッツポーズしてただけです。

今回の西日本旅の途中に、神戸の本山シェフのお店で素晴らしいごちそうを頂き、出版された本にサインをいただき、山陽本線の車中で一気に読み終えました。

内容は読んでのお楽しみなので、ここでは書かないけれど、これから旅するヒトビト全員に「飛行機の中で読んで!」って渡したくなるような本。理由はあったとしても、旅に逃避した人の旅話は、全身全霊をかけた人の旅話に、到底及ばないと思うに僕自身は至りました。旅ブログを書かれたり、旅にはテーマがなんて思っている人は必読!是非!

国立民族博物館 / National Museum of Ethnology Japan

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国立民族博物館

鳥獣戯画の絵巻を拝み、作者とカエルについて語り合いたいし、関ヶ原の合戦絵巻で日和った秀秋を罵ってやりたい。。。。けれど。。やっぱり混んでる。。

そうだ、それなら。。国立民族博物館にいこう。南アジアの湿り気を帯びたスパイシーな風や、ドンブラの調べが運んでくるシャシリクの煙、店の子供がフォークとナイフをペーパーに包む、ガシャガシャクルクルといったアメリカの中華料理屋の音を聞きに行こう。みんぱくに行こう。

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みんぱく。誤解を恐れずに言えば、日本ばかりでなく、世界各地の村や町の役場の脇なんかにポツーンとたっている、土地の歴史を説明しつつ人々の生活道具を並べている民芸館、資料館といった施設の親玉みたいなものだ。

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民芸館や資料館を見て回り、「ああ、昔はここはこんなところだったのね。。レンジも炊飯器もコンロもない時代の昔の人は大変だったろうね。。ふぅ」なんて言い、民具を手にとってみたりするんだけど、民芸館から出ると、その手でデートしてる彼女のお尻をつかんだり、ファミレスのドリンクバーのコップを持ったりして、展示物のこともその触感もすぐに忘れてしまうのである。

そんな博物館の親玉、それも国立なのがみんぱく。

国立?

そんな場所には、箱物行政、ゼーキンで集めた世界の民具?おいおい、台湾のあの偉そうに並んでて、コレクションしてるのは、巨大な寂寞なんじゃないの。。。

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なんて思ったら大間違い。素晴らしいのである。猛烈に素晴らしい。

国立民族博物館は、収蔵物、ヒトビトへの暖かな眼差し、リスペクトが詰まっている。

世界各地の資料館/民芸館だって、土地やモノへの愛着から建設されたのだろうけど、たいていの資料館は、失われようとするもの、失われたものを「しょうがない」「用はなくなった」で片付け(きっちりと!)、それらを整理整頓した場所になってしまってる感がいなめない。民具もなんだかしんなりしたり、うっすら埃をかぶり、相手にされずに拗ねてしまったといった寂しい陰影を纏ってる。

が、国立民族博物館は違う。

見捨てられたモノや普段あまり目に留まらないモノをきっちり並べて分類し、マニアックな視点や、並べ方を加え、磨き上げ、モノたちが強烈に輝きを放ってる。

新しモノ好きってのを最初から否定するつもりはないし、古いものへ関心が行く時間的空間的な余裕が、高度資本主義経済の今にないのは百も承知だ。でも、ボロッボロの空き家や、粗大ごみ、面倒見てもらえないお墓なんてものが放つ悲しいオーラっていうのは、同じような状況に陥った人間自身が放つじゃないかとも思う。やっぱりそれは悲しい。

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世界中中華レストランのメニュー

だから。。。現役バリバリの民具から、手垢まみれの、もう使わないでしょ。古いでしょ。と言われかねないものまでを、前後左右に関連付けたり、居場所を与えて意味や意義を伝える「みんぱく」の仕事は素晴らしい。

例えば世界中の弦楽器を並べたりする。例えば世界中のスプーンを並べたりする。

そんななんでもないものだけどいっつも手にするものをフルパワーで展示しているからこそ、道具の向こうで知らない人間が見え、常設展のアフリカからの人間の広がりや、航海者達が原始的な航法で太平洋中に広がっていた展示に強烈な説得力が与えられる。

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そういった移動やらこれまでの人類の物語がインストールされていて、やがていつか死ぬ。。。。なーんてことを感じられるのである。ちょっと大げさだけど。

世界中を旅してアイヌ、琉球、日本という展示になったのも、自分の旅をもう一度振り返るようで面白かった。

見学を終え、博物館ならではの少し暗い空間から外に出る。これはまさに「胎内くぐり」である。一旦死んで俺は「みんぱく」に産み落とされたのだ。

ふふふ。ばーぶ、ばぶばぶなんてハイハイしながらみんぱくを出る(嘘)。

駅に向かうと太陽の塔がズドーン!

ったく、素晴らしいぜ。

NH 15 HND-ITM

NH 15 HND-ITM

沖縄へ出張で出かける妻と羽田空港に向かう。早い便に空きがあったのでフライトを変更して搭乗。NRT-KIXはちょいちょい利用したけれど、HND-ITMなんて久しぶり。1席しか残っておりませんので、内側のお席です。。なんて言われたけれど、目の前が壁の悪くない席だった。窮屈さを感じなかったから、ストンと落ちる。離陸も着陸も思い出せない関税気絶系ワープフライト。さて、みんぱくに行こう!

UA 875 SFO-HND

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UA 875 SFO-HND

8時間近い乗り継ぎ時間で存分にサンフランシスコ観光しようと思ったけれど、空港夜明かしがたたって、到着後、胃袋に少し食べ物を放り込んだ途端に記憶を失い、ラウンジのベンチで目をさますと、いつの間にか午後になっていた。よって、サンフランシスコは景色も見ずに、Ingressをやりながらあっちにフラフラ、こっちをブラブラしただけ。今回のサンフランシスコの小休止の記憶は、あっという間に失ってしまいそうだ。

帰りの機内では、「WILD」を鑑賞。パイオツにぼかしが入った航空会社向け版。母を1年前に亡くしたばかりなので、お遍路や歩き旅をしたことの「自分に向かい合う旅映画」への共感も深かったけれど、母にしばらく会えないことや話すことができないことの悲しみの重さの方に堪えてしまう。「バードマン」や「Still Alice」より辛かった。

到着すると荷物がミッシング。バーコードの問題で荷物のトレースができないけれど、まあ見つかるだろう。羽田から家に帰るまでの荷物が少なくなったと考え、よしとしよう。

 

UA 2513 SLC-SFO

UA 2513 SLC-SFO

最後の空港泊を済ませ、午後のフライトを数時間早めて朝のフライトでSFOに向かう。

 

AS 714 PDX-SLC

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AS 714 PDX-SLC

スタンプラリーな旅はおろか、生きるためのゼニカネ稼ぎの源泉だった町への最後のフライト。いつものように爆睡したあとになんとなくぼんやりしていると突然、「ドスン!」という着地のショック。で到着を知る。

これにて、ソルトレークを拠点にしていたビジネスや契約その他が全てスッキリ。忘れ物も綺麗さっぱり、霧になって消えてしまったようなので、思い残すことは無し。

AS 2015 SEA-PDX

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AS  2015 SEA-PDX

ソルトレークに忘れ物をしたことに気が付く。取りに戻っても、その忘れ物がないであろう。。。ということが分かっていても「でもやるんだよ!」の精神で飛行機に乗り込む。

バラード / Ballard

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バラード / Ballard


2009年、2011年に続いてシアトルの友人を訪ねた。

数年の日本でお仕事期間もあったけれど、アメリカに戻って友人が家を構えたのは、以前と同じ彼らの愛する町、Ballardだった。

ピュージェット湾とワシントン湖を結ぶ水路の北にBallardは位置している。水路の水は真水なために船を傷めないため、古くから漁港として、漁船団の基地として賑わってきたようで、今でも北太平洋でのサケマス漁やカニ漁の大小の漁船が拠点としている。ドックや丘に上がってメンテナンスを待つ船がのんびりとでーんとしている。ドライブ中にカーブの向こうに見えた船がどこかで見かけたことあるなぁなんて思っていたら、デッドリーストキャッチにも出てくる船だった。

船乗りの町ということもあって、この町に本格的に定住したのはスカンジナビアの人々。滞在した数日間はノルウェー月間だったようで、ノルウェーの国旗が町中にはためいている。

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カナダと国境を接するアメリカ北部の州はスカンジナビアをルーツとする人々が多いゾーン。「Yes!」が「YA!」になったりする特徴があるなんて越智道雄氏が分類していたけれど、このエリアでは、ジロジロ見られることもない代わりに、積極的に関わったり手を差し伸べてくれる感じはない、あっさりした気持ちのよいタイプが多い。旅人にとっては「放って置かれる系文化ベルト」でもあり、「気持ちのよい奴と出会えるかもしれない文化ベルト」といった感じがする。

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奇異な視線を浴びたり、人種間のギャップを直視せざるを得ない「ドーン」な出来事も少なく感じるこの文化ベルトの旅は、慣れてしまえばすごくリラックスできるエリアで旅もしやすく。そして海沿いになればなるほど気候は穏やかになってすごしやすい。町が果たしている役割は大きく違うのだけど、中心部のレストランやらが集まっている通りの雰囲気がモンタナのMissoulaに似ていた。

友人夫妻やその友達と最後の夜にBBQをした。

国際結婚組が何人もいたので、馬鹿話の合間合間に、終の住処はどこにするか、とか。ネイティブ並みに言葉を操れない異国に暮らすこと、旅人ではなく、居住者となっても異邦人として暮らし、そこで人とコミュニケーションするとどんなことが起こるか。。なんてことを話した。

仕事帰りの仲間がビールや食材片手に、明るいうちから始まることができる、Seattle/Ballardエリアの最高な季節の楽しい夜だった。

AS 2056 PDX-SEA

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AS 2056 PDX-SEA

魚の絵が描かれた短パンを履いていたからか、隣の乗客と魚釣りの話になる。日本のセミコンの会社と取引があるようで、日本に馴染みがあり、「テンカラ」をやってみたいということだった。

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海川問わない、魚大好きな釣り人なようで、日本の遊漁船の面白さや気軽さなんかを伝えると、次回の出張の時には是非行きたいねぇ、なんて盛り上がった。

AS 715 SLC-PDX

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AS 715 SLC-PDX

ソルトレークの倉庫を片付け、アメリカの倉庫やストレージスペースの在庫はゼロになった。感慨深い。東海岸のボストン発で本格始動した12年に及ぶハンドキャリー馬鹿運び屋仕事で、日本に持ち帰った荷物は重さで20〜25トンくらいか。たくさん運んだような気もするし、そうでない気もする。

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空からのポートランド近郊の景色は、みずみずしくて緑が濃くて、川がゆったりしてなんだかヨーロッパみたい。川沿いの雰囲気はフランクフルトとかを思い起こさせる。

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