倉越高原 / Kuragoe Plateau
23区と島嶼部を除いた東京の田舎、いわゆる市部を担当する無知蒙昧系営業マンだった20代の私は、狛江で午前に見積もりを出し、東大和あたりのラーメン屋で昼飯を済ませ、午後は青梅で初出荷のサポートなんてことをする、効率の悪さだけが売りの営業スタイルで国際航空貨物を売っていました。
たいした数字でもないのにそれが達成されそうな月は、熱血営業マンのふりをして営業所を出発、挨拶程度にあきる野市のお客さんに顔を出し、そのまま桧原村に直行!数馬の湯に浸かって、「熱湯営業マン」なんて嘯いていました。数字が出てれば、いい!なんて言い切っちゃって。。。はぁ。ダメなやつだなぁ。
ゴンドラで降りてゆく、DHL時代の先輩
そんな唐変木な奴の話はさておき、現在の木曽町と王滝村の宿泊業者さんを中心に事業者さんにインタビューをして回っている現在のお仕事は、徹頭徹尾山の中スタイルです。
まあ広い。
20代当時のエリアと、現在担当しているエリアを比較すると
東京の市部の面積 : 王滝村と木曽町を合わせた土地の面積 = 2:1
くらいなのだけど、
人口比が
東京の市部の人口 : 王滝村と木曽町を合わせた人口 = 400 : 1
くらいになるのです。
こういった土地で、東京の定規で人と接し、ビジネス手法やらコスパ(笑)なんて言葉を持ち出すと、痛い目に合ったり、スピード感にストレスを感じてしまったりすることもありますが、それ以上に面白いことが起こるので、なかなか楽しんでやってます。
標高2300メートルのレストランで打ち合わせをしたり、打ち合わせの最中に、飲める鉱泉がでてきたり。。。
そんな仕事の先週のクライマックスは、某事業者さんに連れて行って頂いた倉越高原。
日本の山間部は、国有林や地域の入会(いりあい)になっている場所が多いために、普通では入れない土地がそこかしこにあるのですが、倉越高原もそんな場所の一つ。2300メートルのロープウェイ駅から見下ろすと、城馬鹿センサーが搭載された私には、巨大な山城のようにも見えるのですが、平らかな大地の上に広がる牧草地とのこと。
立ち入り禁止のゲートを越えた向こうは、目の前の御嶽ばかりでなく、乗鞍や木曽駒を見張らせる草原が広がっており、日本で一番寒い日にしょっちゅう見舞われる開田高原を見下ろす、まさにキングオブ高原。
ありそうでない現実から乖離した雰囲気が格別です。
ススキの向こうから、20代のボンクラサラリーマンな俺がひょっこり。。出てきそう?
映画の撮影地に使うにも、意中のあの子に想いを告げるにも、もってこいな場所。知らないどこか異空間にもつながっていくような感じがするのは、私だけじゃないはず。よくよく考えると、御嶽を目印にするUFOが降りるにももってこいな場所。これはもう、木曽の外の人どころか、宇宙人にもお勧めしたい場所ですね。
宇宙人が来る前に、仕事を休んだりサボったりして、是非みなさんも!